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プロが伝授・長く愛用できる「へたらないソファ」の見極め方・使い方のコツ

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プロが伝授・長く愛用できる「へたらないソファ」の見極め方・使い方のコツのアイキャッチ画像

「色やデザインもお気に入りのソファなのに、あっという間にへたってしまった……」。

このような経験をされている方も多いのではないでしょうか。

インテリアの要となるソファ選びに大切なのが、永年愛用してもへたりにくい、耐久性のあるソファです。

しかし、ネットショップやショールームに並ぶ真新しいソファでは、耐久性の見極めが難しいのが現状です。

そこで今回は、国内外の高級家具ブランドを取り扱うMAYSが、へたりにくいソファの見極め方をご紹介します。

上質空間にふさわしい、へたりにくいソファ選びに役立ててください。

へたらないソファを選ぶために、まずはソファの材質と構造を理解しよう!

ソファに求められる基本性能といえば「快適な座り心地」と「へたりにくい耐久性」です。

ソファメーカーでは、魅力的なフォルムや材質の追求と同時に、芯材とスプリングの組み合わせ・構成に工夫を重ねています。

具体的には「快適な座り心地の追求とへたりにくい耐久性」の両立に向けて、知恵を絞っているのです。

そこで今回は、へたらないソファの見極め方を知るための前提として、まずはソファの材質と構造について整理します。

ソファはフレーム・座面・背もたれ・アームで構成されている

ソファの構造

出典:https://www.actus-interior.com/brand_eilersen/

上の画像はデンマークのeilersen(アイラーセン)社のソファです。

一般的なソファは、フレーム・座面(スプリング類・ウレタンなどの芯材・ファブリック・皮などのカバーリング材)・背もたれ・アームで構成されています。

また、カバーリング方法により、以下の2タイプに大別可能です。

・張り込み型→フレーム・座面・背もたれ・アームを一体にカバーリング

・置きクッション型→座面をフレームから分離してカバーリング

上の画像のように、座面はウレタンやスプリングなどの芯材と、それを包み込むカバーリングによって形づくられています。

ウレタンなどでできた芯材部分(4)は、使用するに従い、経年劣化によって縮み・軟化します。

そのため、購入時ぴったりフィットしていたカバーリングと芯材の間にスペースができて、次第にくたびれた印象になってしまうわけです。

これが、ソファがへたった状態だと判断できます。

特に、ソフトな座り心地のソファは、最初から芯材の中に空気層をより多く含んでいるため、へたりやすくなります。

逆に、ハードな座り心地のソファは後述する特殊なスプリングなどを使うため、芯材の軟化や縮みの程度が小さく、へたりにくいのが特徴です。

座面内部(芯材とスプリング)の構成が、ソファのへたりにくさを左右する

ソファのへたりにくさを左右する要素の一つに、座面のスプリングと芯材の組み合わせがあげられます。

年代・製造地域・ソファのデザイン・メーカーによって、使用する材料も構造もさまざまです。

ソファの構造

出典:http://www.tachikawa-isu.com/up-ko-zo-.html

上の画像左側は、立川椅子工芸のホームページにて掲載されているシンプルなソファの座面構造の一例です。

スプリングの代わりにウェービングテープで座面を支えています。座面は複数のウレタンを組み合わせてカバーリングでまとめています。

画像右側は、座面にポケットコイルを使い、フレームにはS字状バネを使用しているソファです。

体圧を座面のバネ全体で分散するため、ウレタンを使った座面よりもへたりにくく、快適な座り心地が長持ちします。

全体をカバーした張り込み型クッションタイプです。

芯材の主材料、ウレタンフォームの種類

現在製造されているソファの芯材の主流は、ウレタンフォームです。

ウレタンフォームの正式な呼称はポリウレタンフォームで、ポリウレタンに発泡剤を混ぜて硬化させたものです。

ポリウレタンフォームにはさまざまな種類がありますが、ソファに使われるのはクッション性に優れた軟質フォームで、成型方法により、モールドウレタンとスラブウレタンに大別できます。

|モールドウレタン成型

ソファの金型に材料を流し込み、発泡させて一体成型で製造するウレタンフォーム。

自動車のシート部分で採用される製法で、ソファのデザインごとに金型を設計して製作するため、複雑な曲線形状や硬さの調整ができます。

ウレタンの密度が高く、へたりにくい製法です。

金型の製作から始めるので、コストは高くなりますが、モールドウレタンフォームを使っているということは、ソファのへたりにくさを見極める指標となります。

|スラブウレタン成型

発泡成型したウレタンを切断加工して使うもので、ソファでは、こちらの製法のウレタンを使用するのが一般的です。

モールドウレタン成型に比べると、安価に製造できます。なお、ソファで主に使われるウレタンは、密度などによって以下のように使い分けられます。

・チップウレタン:ウレタンの端材をリサイクルして活用した材料。クッションの芯材として使われる、圧縮成型したウレタン。密度や硬さに幅がある。

・高密度ウレタン:反発力があり、硬めの座り心地となる。

・低密度ウレタン:空気を含み、柔らかな座り心地となるが、経年劣化や特定の場所のみで使っていると、へたりやすくなる。

このように、フレームの上に弾力性や硬さなど特色のあるウレタンを組み合わせて使います。

座面を支えるスプリングは4タイプに大別できる

ソファの座面を支えるスプリングは、大きく4つに分けられます。

基本的には、それぞれのスプリングを組み合わせて、各社最適なソファの座り心地を追求しています。

|Sバネ

座面を支えるためにフレームに張り込むバネのことです。

適度な弾力性によって、座面を支える縁の下の力持ちとして機能します。

Sバネを使用すると、構造上座面は20cm弱の厚みが必要となります。

座面の厚みは必要となりますが、後述するウェービングテープよりも、耐久性に優れているのが特徴です。

また、できればバネの間隔が狭い(下の画像では8cm通常は10cm以上)ほうがよりへたりにくいとされています。

ただ、フレームにつけるため中央部分は十分な弾力性がありますが、端部はどうしても弾力性が少なくなります。

バネの幅

出典:https://manualgraph.com/blogs/topics/sofa-no-bane

|ウェービングテープ

ベルト状のゴム素材をフレームに縦横交互に張り込み、座面を支えます。

適度な弾力性があり、Sバネと比較するとより座面を薄く仕上げることができるため、スタイリッシュなデザインのソファに採用されています。

なお素材がゴムと布のため、長期間使用すると少しずつ劣化が進むのが特徴です。

ウェービングテープ

出典:https://manualgraph.com/blogs/topics/sofa-no-bane

|ポケットコイル

ポケットコイルとは、個々のバネを筒状のポケットと呼ばれる袋に入れたバネのことです。

それぞれのバネが独立して荷重を支えるため、隣の人が座ったり、立ち上がったりしても、座り心地にほとんど影響がありません。

座り心地は、前述したSバネやウェービングテープに比べソフトな印象です。

ポケットコイルは上質なベッドでも使われているバネのため、体圧分散力があり、へたりにくく耐久性に優れたバネです。

ただし、ポケットコイルの形状の関係で、座面に厚みが出てしまうのがデメリットでもあります。

下図のCassina ixc(カッシーナ・イクスシー)のTANGRAM(タングラム)はポケットコイルを使用していますが、洗練されたフォルムで人気のソファです。

tangram

出典:https://www.cassina-ixc.jp/shop/g/gtangram/

|コイルスプリング

コイルスプリングは、渦巻き状のバネを連結して使用するのが特徴です。

構造上どうしても座面に20cm以上の厚みが出て、ボリュームのあるソファとなるため、クラシカルなデザインのソファ以外では、最近は使われる機会が少なくなっています。

コイルスプリング

出典:https://www.shimachu.co.jp/tanokura/20180319sofa.html

芯材の構成・スプリングとの組み合わせでへたり方が異なる

へたらない、すなわち座面形状の経年劣化による変形が少ないソファを設計するために、ソファメーカーでは、デザインに応じてスプリングおよび芯材の組み合わせを検討します。

モールドウレタン成型の場合は丸ごと金型通りに成型できますが、スラブウレタンの場合は各社独自の方法で、硬さ・密度の異なるウレタンを組み合わせて使用します。

さらに、デザインとの兼ね合いから座面を支えるスプリングとの組み合わせも各社試行錯誤している状況です。

芯材の構成と組み合わせによってへたり方も異なってきますので、ソファを購入する際は、芯材とスプリングについて十分に検討してみてください。

へたらないソファを見極める6つのポイント

購入時の美しいフォルムを維持できる、へたらないソファ選びに役立つ6つのポイントをご紹介します。

ソファの仕様を確認する

前項で整理したように、ソファの座面に使われている芯材やスプリングの仕様を確認することで、ある程度、ソファのへたりにくさについて予測ができます。

具体的なポイントを以下にまとめました。

・本体・内部構造に、モールドポリウレタンフォームを採用している

・本体にポケットコイルを採用している

・通常のウレタン仕様でも、高密度ウレタン・低密度ウレタンなど密度の異なるウレタンを組み合わせて使っている

・座面をフレームから分離してカバーリングをした置きクッション型の場合は、クッションの方向をローテーションさせられるタイプである

・置きクッション型でカバーリングを自分で交換できるタイプである

構造や材料について不明点は担当者に確認する

ソファメーカーによっては、仕様書に内部構造や材料について記載が無い場合もあります。

その場合は、メーカーの担当者に確認しましょう。

ソファを見て、座って、体感で確認する

へたりにくさを優先して選ぶと、ポケットコイルを使った座面が分厚いタイプのソファや、ハードな座り心地のソファになる場合があります。

実物のソファを自分で見て、座って、座り心地とへたりにくさが両立しているか確認しましょう。

メーカーのサービス体制を確認する

本コラムのタイトルに「へたらないソファ」とありますが、厳密にいうとソファの芯材は経年劣化により、程度に差はありますが、縮んだり・軟化したりしてへたります。

特に空気層を含んだ、ふんわりとした座り心地のソファのへたりは15年前後使っていると目立ってしまうのが特徴です。

良心的なソファーメーカーでは、10〜15年使い込んだソファのウレタンやカバーの交換、メンテナンスを行っていますので、サービス体制を確認しましょう。

へたった部分を交換するとソファは生き返ります。

ロングセラー商品から選ぶ

ソファのなかには、発売から30年以上経過しても根強い人気のあるロングセラー商品があります。

例えば、ligne roset(リーン・ロゼ)社には1973年の発売以来今なお人気のROSETTOGO(ロゼトーゴ)というソファがあります。

蜂の腹部をイメージした独特のフォルムと比重の異なる4種類のポリウレタンフォームを使ったデザインは、ウレタン素材の可能性を引き出した名作で、心地よい座り心地で人気を集めました。

TOGOを長く愛用する人のために、同社ではカバーおよびウレタンの張り替えを行っています。

ロングセラー商品には、座り心地、へたりにくさに加えて良質な家具を長く愛用してもらえるようにきちんとサポートする、メーカー側の体制作りも必要です。

へたりにくいソファを見極めるための、シンプルで確実な方法は「発売以来長く愛用する人が多いロングセラーのソファから選ぶ」ことかもしれませんね。

togo

出典:https://www.ligne-roset.jp/products/products/living/sofa/TOGO/index.html

カバーリングシステムがあるソファを選ぶ

張り込み型であっても、自分で簡単にカバー交換ができる、カバーリングシステムを採用しているソファは、芯材のウレタンのへたり具合を自分でチェックできます。

必要であればメーカーに芯材の張り替えを依頼することも可能なので、おすすめです。

カバーリングシステムを導入しているソファとしてよく知られているのが、arflex(アルフレックス)社のMARENCO(マレンコ)です。

MARENCO

出典:https://www.arflex.co.jp/maintenance/care/pro.html

ソファのへたりを最小限にとどめる使い方のコツ

ソファの職人さんから「使い方一つで、同じソファでもへたり方が違ってくる」という話を聞いたことがあります。使い方の工夫について整理しておきましょう。

置きクッション型は、クッションをローテーションさせて使う

ウレタンを使ったふんわりとした座り心地のソファは、経年劣化により、10年以上使うと次第にへたってきます。

置きクッション型で、クッションをローテーションさせられるタイプは、クッションへの圧力が偏らないように定期的にクッションの向きを変えることによって、へたり具合を軽減できます。

愛車のタイヤのローテーションと同じ気持ちで、こまめにローテーションしましょう。

張り込み型は、座る位置を固定しないで使う

お気に入りのソファを使用する際、私たちはつい決まった場所に座ってしまいます。

特に張り込みタイプのソファの場合は、クッションをローテーションさせられないので、いつも決まった場所に座らず満遍なく座ることがへたりを最小限にとどめるコツです。

ソファ選びに迷ったら、インテリアコーディネートの実績豊富なMAYSへ

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株式会社MAYSは、1988年の創業より、港区エリアを中心にエグゼクティブ層における住まいのインテリアコーディネートなど、ハイエンドのお客様の住空間をワンストップで承ってまいりました。

海外から初めて日本に赴任されるお客様とメールで打ち合わせを行い、イメージどおりのインテリアの住まいを準備できるのも、MAYSならではの特徴です。

現在では、オフィス、マンションのモデルルームのスタイリングから個人邸のご相談まで年間約1,000件のコーディネート実績を重ねております。

洗練された、上質空間であると同時に、クライアント様の「その人らしさ」を大切にした細部まで行き届いた上質なご提案が特徴です。

空間全体のご相談だけでなく、「インテリアにマッチしたソファをいくつか提案してほしい」という家具選びのご相談も数多く承っております。

ソファ選びに迷った際には、ぜひMAYSにご相談ください。

文・藤江 薫(二級建築士・宅地建物取引士・インテリアコーディネーター)

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