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高級感のあるリビングのソファには「革」と「布」どちらがおすすめ?

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高級感のあるリビングにしたいと考えるなか、ソファの仕上げは革にすべきかお悩みではありませんか?

布ソファといえば、カジュアル・ナチュラルな印象になりそうですが、高級感のある雰囲気にできるのでしょうか。

また、革と布のどちらが生活に合っているのかわからない方もいるかもしれません。

そこで、本記事では革と布それぞれの特徴・メリット・デメリットを詳しく解説します。

ライフスタイルや求めるインテリアテイストによって、向き不向きは変わります。

素材の特徴やメリット・デメリットを知り、自分たちのライフスタイルやインテリアに合わせた仕上げを選び、こだわりのリビング空間を演出してください。

ソファの仕上げ素材の違いは?

ソファ 素材の違い

ソファの仕上げ材は、大きく分けると「革」と「布」の2種類があり、仕上げ方や色柄も豊富で特徴も異なります。

また、仕上げ方として張り込みとカバーリングがあります。

張り込みは、ソファの構造やシート部分に固定するもので、カバーリングは後から着脱ができる仕様です。

革張りは張り込み仕様がほとんどで、経年劣化で傷んだ際は張り替え修正をすることになります。

一方、布張りはカバーリング仕様のものも多く、ウォッシャブル生地なら汚れたら洗えるので清潔に使い続けられるでしょう。

カバーだけの交換や模様替えもできるため、カバーリングは人気があります。

しかし、大きなソファは交換の大変さや、たるみやよれた箇所が気になるなどのデメリットもあるので、ライフスタイルに合っているかを考えて選んでください。

革地の種類

革といっても、さまざまな素材があります。

一般的には「革」といえば本革を指しますが、近年はサステナブルな素材として合成皮革(合皮)も注目されてきました。

ここでは、革の種類や本革の加工による特徴の違いについて詳しくみていきます。

本革

本革は天然皮革のことを指し、家具(ソファ・椅子)では、おもに牛の革が使われます。

牛の年齢によって「カーフスキン」「キップスキン」など名称が変わりますが、一般的には生後2年以上のオスの革「ステアハイド」が流通しています。

耐久性があり、汚れがつきにくいので、ソファの張り地に適した素材です。

合成皮革(合皮)

天然皮革に対して、合成皮革はベースの布に合成樹脂を塗布して作られた素材です。

見た目は革に似ていますが、手触りや匂いなどがなく、本革より質感が劣ると感じるかもしれません。

次の2種類の合成樹脂が使われることがほとんどです。

・ポリウレタンレザー(PU):
弾力性と柔軟性があり、より本革に近い質感・見た目でフェイクレザーとも呼ばれ、水に弱く、濡れたままにするとボロボロになります。

・塩化ビニル樹脂レザー:
安価で耐久性が高く汚れに強い合成皮革です。つるつるとした質感で、PUに比べるとややかたい印象があります。

エシカルレザー・ヴィーガンレザー

近年では環境配慮やサステナブルな素材という観点から、エシカルレザーやヴィーガンレザーなどが注目されています。

エシカルには「倫理的な」という意味があり、エシカル商品とは地球環境だけでなく人や社会に対して配慮された商品のことです。

またそのような商品を生産・購入・消費する活動自体も含めたライフスタイルとして、企業や個人でも意識をしている人が増えています。

合成皮革だけでなく、獣害により捕獲された鹿革を使うこともあります。

ヴィーガンレザーは動物保護の視点により、動物性の素材を使わない革のことです。

前述の合成皮革のほか、石油由来の合成皮革ではなく、より環境に配慮した植物性の「ヴィーガンレザー」も作られています。

現在、かばんなどの小物に使われることが多く、ソファなど大きな面積での使用は開発が進んでいる段階です。

ソファの素材としてはまだ流通が活発ではありませんが、一つのもの選びの基準としてサステナブルかどうかも大切にしたい観点ではないでしょうか。

本革はなめし加工の工程が重要ポイント

本革(天然皮革)は、製品化するまでの加工も大切なポイントとなります。

皮成分の不要なものを取り除き、溶液をしみこませて腐敗や硬化を防ぐ工程を「なめし加工」といい、なめされた皮を「革」といいます。

「タンニンなめし」「クロムなめし」「混合なめし」が主な方法で、次のような違いがあります。

・クロムなめし:
鉱物であるクロムから作られた溶液を使う。柔軟性・伸縮性がよく、短期間で製造できて生産効率がよいことからも、現在主流のなめし方。

・タンニンなめし:
植物の樹皮・葉から抽出したタンニン(渋)を使う。かたく・のびにくい仕上げで、かばんやベルトなどに使われることが多い。1~3ヵ月ほどの製造期間が必要。

・混合なめし:
クロムなめしを行ったあとに、タンニンなめしを施す方法。合成樹脂を加えて強度をあげるケースもあり、新感触や性能を出すために行われる。

また、裏起毛をさせたスエードや型押しなど、なめし以外の加工を加えることでさまざまな表情の革があり、塗装することでより豊かなラインナップを実現します。

革のメリット・デメリット

革

ここでは、ソファの張り地としての「本革」のメリット・デメリットを解説します。

本革のメリット

まず本革のメリットについて解説します。

|重厚感のある雰囲気を演出できる

革張りのソファには独特の落ち着きがあります。

使い込むほどに味わいが増し、高級感を演出できるでしょう。

|耐久性が高い

本革は耐久性の高い素材です。

乾燥によるひび割れが起こりますが、定期的にクリームなどで汚れ落としと保湿を行えば、防げます。

|からだにフィットする触り心地のよさ

しっとりとした肌ざわりで、からだになじみます。

合成皮革や布に比べて吸湿・通気性にすぐれており、蒸れにくく快適に過ごせる素材です。

|汚れにくい

汚れがつきにくく、ほこりやダニが吸着しにくい性質を持っています。

掃除機やから拭きで表面のほこりを取り除き、定期的に革用のクリーナーなどで汚れを落としてください。

本革のデメリット

次に本革のデメリットについて解説します。

|メンテナンスが面倒

汚れがつきにくい素材ではありますが、ひび割れを防ぐために定期的にクリームを塗布するなどのメンテナンスが必要です。

ソファはお手入れする面積も広く、面倒に感じる方もいるかもしれません。

|コストがかかる

布や合成皮革に比べると高価な本革。

革の種類や厚みによってさらに値段が高くなる可能性があり、コストがかかる素材です。

|水に弱い

汚れがつきにくいものの水には弱く、お茶などをこぼして放置しているとソファが傷みます。

また、水だけでもシミになることがあります。

布地の種類

布ソファ

布製のソファ生地によく使われる素材は、次のとおりです。

いくつかの素材を混合して織られるものもあります。

【化学繊維】

・ポリエスエル:しわになりにくい・耐久性が高い・速乾性がある・静電気が起きやすい

・アクリル:弾力性がある・しわになりにくい・羊毛のような風合いがある・吸湿性が低い・ほこりがつきやすい

【天然素材】

・綿(コットン):肌ざわりがよい・染色性にすぐれている・縮みやすい・日焼けしやすい・しわになりやすい

・麻(リネン):通気性がよい・吸湿性発散性にすぐれている・涼し気・しわになりやすい・摩擦でけば立ちやすい

革に比べて吸水性が高い布は、すぐに拭き取ってもシミになりやすい弱点があります。

撥水加工を施して、汚れがつきにくいようにすることも可能です。

また、布生地はカバーリング仕様になっているものも多く、洗える生地であれば洗濯ができます。

布地のメリット・デメリット

ソファ 素材

ソファの張り地としての「布地」のメリット・デメリットは、それぞれどのようなものがあるのでしょうか。

布地のメリット

まずは布地のメリットからみていきましょう。

|色柄が豊富

染色性の高い布は、色柄が豊富でインテリアに合わせて多彩なラインナップから好みのものを選べます。

|カバーリングタイプならお手入れしやすい

カバーリング仕様でウォッシャブル生地なら洗濯できるため、清潔に使えるでしょう。

また季節や気分によって、色柄の違うカバーに付け替えて楽しめます。

|革に比べて安価

一般的にソファの張り地の価格ランクは、高いものから並べると本革・合成皮革・布の順です。

布の張り地でも、輸入品や複雑な織り方をしているもの、プリント加工されているものなどは高くなるケースもあり、本革と同等のランクになる場合もあります。

布地のデメリット

次に布地のデメリットを解説します。

|汚れがつきやすい

布地はゴミやほこりが、布の折り目から中に入りやすいと同時に、水分を吸収しやすくシミがつきやすい点がデメリットです。

素材によっては静電気でさらにほこりに吸着することもあり、掃除機でこまめに汚れを吸い取ったり、カバーを洗ったりする必要があるので日常的に手間がかかります。

|毛玉やほつれなど傷みやすい

摩擦による毛玉やこすれから生じる傷みが起きやすく、劣化が早い点も布のデメリットです。

また、ざっくりとした織りの布の場合は、洋服のボタンや金属部品が引っ掛かり破れたりほつれたりします。

傷みが気になる場合は、傷や摩擦に強い布を選びましょう。

|カジュアルな印象になる

カジュアルな雰囲気は決して悪いことではありませんが、高級感を出したい場合には不向きかもしれません。

高級感を出すには、織り方が複雑な布や刺しゅうが施されているものを選ぶとよいでしょう。

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文・松田 ともみ(インテリアコーディネーター)

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