狭いスペースの有効活用!ソファダイニングの後悔しない選び方とは?
リビングダイニングに十分な広さがなくても、スペースを有効活用してゆったりと過ごしたいと考える方は多いのではないでしょうか。
広々としたダイニングテーブルでの食事や団らんだけでなく、ソファでゆったりくつろぐ時間も大切です。
しかし、大きなダイニングテーブルと大きなソファをそろえると、空間が圧迫されてしまいます。
そこで、ダイニングセットとソファの機能を兼ね備えたソファダイニングで、スペースを有効活用してみてはいかがでしょうか。
ソファダイニングなら、ゆとりのあるレイアウトを実現できます。
しかし、実際に過ごしやすいのかイメージしにくく、使ってから後悔するのではないかという心配もあるかもしれません。
本記事では、ソファダイニングのメリットとデメリット・選び方やどのような人におすすめなのかを詳しく解説します。
また、おすすめのソファダイニングも紹介するので、選ぶときの参考にしてみてください。
狭い空間を有効に使ったソファダイニングを選び、自分たちの暮らしにフィットする理想の住まいを実現しましょう。
目次
そもそも「ソファダイニング」とは?
ソファダイニングとは、ダイニングテーブルとソファを組み合わせたレイアウト方法のことです。
背もたれがありクッション性のよいベンチ型のソファと、ダイニングテーブルをセットにすることで、リビングダイニングスペースを有効に使えます。
リビングダイニングスペースが狭く、ダイニングセットとソファの両方を置くと空間が圧迫されてしまう場合に、検討することが多い配置です。
ソファダイニング用のソファの座面高さや奥行きなどは、ダイニングテーブルと組み合わせたときに使いやすいように設計されています。
一般的なソファに比べて、座面のホールド感がしっかりとしており、奥行きが浅めのものが多い印象です。
ダイニングチェアと比較すると背もたれ部分のクッション性が高く、背中を預けてゆったりとリラックスできます。
まさにダイニングチェアとソファのいいとこ取りですね。
ソファダイニングのメリット
ソファダイニングの主な特徴としては、ダイニングとリビングの機能の両方を兼ね備えている点が挙げられます。
実際にソファダイニングを取り入れると、どのようなメリットがあるのか具体的に考えてみましょう。
リビングダイニングを有効に使える
一番のメリットは、限られたスペースを有効に使えることです。
ダイニングテーブルとソファを兼用するので、それぞれのアイテムをそろえるよりも空間を広く使えます。
家具のレイアウトを考えるときは、通路などの「余白」スペースをしっかり取ることが大切です。
家具を置けても通路スペースが十分に確保できないと、圧迫感があるだけでなく動線の邪魔になり生活のしにくさを感じるでしょう。
ソファダイニングであれば、周辺にゆとりのある通路スペースを作れるので、移動もスムーズです。
空きスペースを活用できる
ソファ・ダイニングセットそれぞれを置かない分、スペースにゆとりができます。
動線確保が十分にできるだけでなく、場合によっては空きスペースにデスクや収納家具などの設置も可能です。
現在、在宅ワークをする方も増えてきました。
書斎や仕事用の部屋を用意することができなくても、リビングダイニングにデスクコーナーを設ければ集中して取り組めます。
リビングダイニングが広くない間取りの場合、収納スペースも不足しているケースが多いでしょう。
ソファダイニングにして空きスペースに収納家具を置けば、しっかりと片付けができリビングダイニングをすっきりと保てます。
ゆったりとくつろげる
ダイニングセットとソファをそれぞれ用意する場合は、お部屋の広さにもよりますが、サイズダウンせざるを得ないため窮屈になってしまうでしょう。
その点、ソファダイニングであれば、大きめのソファベンチで食事や団らん時も、ゆったりと過ごせます。
東京・港区で家賃月約15万円の場合、1DKは30平米ほどの広さとなり、リビングダイニングの広さは6畳程度です。
もう少し広い40平米の間取りでは、リビングダイニングは8畳ほどになります。
6〜8畳のリビングダイニングでは、幅1m40cm〜1m60cmの2人掛けソファがちょうどよいサイズです。
また、ダイニングテーブルは4人掛けで幅1m20cm〜1m50cmが使いやすいサイズです。
ただし、6〜8畳のリビングダイニングにおいて、リビングに2人掛けソファ、ダイニングに4人掛けのダイニングテーブルを両方置くと、空間的にゆとりがなくなるかもしれません。
一方、ソファダイニングなら、一つのエリアで完結するため、幅1m80cm〜2mのテーブルと2人掛けソファを配置してもゆとりを持って設置可能です。
大人6人が向かい合って座っても余裕があるサイズのテーブルなので、ゆとりを持ってくつろげるでしょう。
大人数で団らんできる
椅子を使用するときは1人1脚ですが、ソファなら詰めて座れるため人数が多少増えても使用可能です。
来客が多い場合は、ケースバイケースでソファベンチに詰めて座ったり、スツールを増やして座ったりとフレキシブルに使えます。
しかし、1人あたりに必要なスペースは幅60cmほど必要なため、あまり詰めすぎると食事がしにくくなる可能性もあります。
また、リラックスしてくつろぐ時間帯にはお互いの距離感を広げてゆっくりしたいと感じる方もいるかもしれません。
使い方に合わせて、何人程度座れるかを検討してみてください。
ソファダイニングのデメリット
メリットの多いソファダイニングですが、デメリットもあります。
ここでは、ソファダイニングを採用する際にあらかじめ注意しておくとよいポイントについて解説します。
出入りがしにくい
カフェやレストランでベンチ型のソファ席に座り、出入りがしにくいと感じたことはありませんか?
ソファベンチは横に長い形状になっているため、真ん中や奥にいる人の出入りがしにくくなります。
家庭で使用するソファダイニング用のソファベンチも同様に、出入りのしにくさはデメリットの一つです。
座り心地のよいクッション性が高い座面は、横方向への移動がしにくいため、余計に動きづらさを感じるかもしれません。
ベンチの一方を壁に付けるレイアウトやL型レイアウトは、とくに出入りがしにくくなるでしょう。
大勢の人が頻繁に出入りする場合には過ごしにくさを感じる可能性があるため、ライフスタイルにマッチするかを検討してみてください。
ソファが汚れやすい
ダイニングは食事をする場所でもあり、食べものや飲みものをこぼしてソファに汚れがつきやすい環境です。
また、木製のダイニングチェアに比べて座面・背面ともにクッション性が高く、ホコリや汚れがたまりやすいかもしれません。
日常的にお手入れをすればよいのですが、奥の席はとくにホコリや汚れのケアがしにくいため、汚れもたまってしまう可能性があります。
ウォッシャブル生地のカバーリングタイプを選ぶなどして、定期的な洗濯とメンテナンスをしてみてください。
また、ソファダイニングに限った話ではありませんが、ソファの食べこぼしを掃除するときには生地を傷つけないように注意が必要です。
粘着カーペットクリーナー(通称「コロコロ」と呼ばれている粘着テープ付きの掃除道具)は、粘着力の強すぎないものを使ってみてください。
掃除機も吸引力が強すぎないものがおすすめです。
マイクロファイバークロスの静電気を利用して、ホコリを吸着してもよいでしょう。
掃除がしにくい
ダイニングで使うため、座面や背面だけでなく床への食べこぼしも気になります。
しかし、ソファベンチはサイズが大きく動かしにくいため、床の掃除も行き届きにくいです。
掃除機のような大きなお掃除道具が入りにくいときは、フローリングワイパーを使ってみてください。
なおダイニング向けのソファは、リビング用のソファに比べて、座面下と床の間がしっかり空いているデザインのものが多いので、お掃除ロボットを使ってもよいかもしれません。
お使いのお掃除ロボットが入るかどうか、事前に確認してみてください。
テーブルとの距離を合わせにくい
ベンチタイプの座席があるレストランで食事をするとき、食べにくいことがあります。
テーブルとの距離が遠すぎる、あるいは近すぎると感じるためです。
ダイニングチェアは、一人ひとり自分にとって適切な距離で前後を移動させられますが、横並びで複数の人が座るベンチタイプでは距離の調整が難しくなります。
また、ソファタイプのベンチは重量も増すため、座った状態で前後の位置を動かしにくいでしょう。
個々の体格差があるため、一概に適切な位置を決められませんが、出入りのしやすさを考えると、テーブルの奥までベンチを入れすぎないほうが使いやすくなります。
その場合、座ったときにテーブルから遠いと感じる場合もあるでしょう。
主に使う人に合わせて、あらかじめ位置を調整してみてください。
商品のラインナップが少ない
ダイニングテーブル・ダイニングチェア・ソファをそれぞれ選ぶときに比べて、ダイニングソファとしての選択肢は圧倒的に少ない傾向があります。
だからと言ってリビング用のソファを設置すると、座面の高さや奥行き、角度などが食事に適していない可能性があります。
テーブルの高さとのバランスや形状がぴったり合うように設定されているソファのなかには、気に入るデザインがないかもしれません。
補足として、ダイニングチェアに比べるとダイニング向けのソファは座面が柔らかく沈み込むこともあるため、ダイニングテーブルの高さも63〜67cmなど低いものを選ぶとよいでしょう。
ソファのもともとの座面の高さや、クッションの柔らかさも合わせて、検討してみてください。
後悔しない!ソファダイニングの選び方
ここまで、ソファダイニングのメリット・デメリットについて考えてきました。
それでは、どのようにソファダイニングを選べば、失敗なく快適な暮らしを実現できるのでしょうか。
ここではソファダイニングを選ぶときのポイントをご紹介します。
過ごし方を考えてフィットするものを選ぶ
本来、リビングとダイニングでは、過ごし方に違いがあります。
ソファダイニングはリビングとダイニングの両方の機能を兼ねた場所となるため、まずはライフスタイルを考えてみてください。
普段からリビングでリラックスして過ごす時間が長い場合は、バッククッションが柔らかくからだを預けてリラックスできるものを選びます。
どちらかと言えば、食事やそれ以外の作業などで利用する時間が長いのであれば、後傾しすぎず、からだをまっすぐに保ちやすいものを選ぶとよいでしょう。
来客が多く、人の出入りが頻繁な場合は、L型のベンチ配置にせず両方向から出入りができるようにレイアウトを工夫する配慮も必要です。
必要に応じて、1人掛けの椅子やスツールを併用して座る人数を調整できるようにしてもよいかもしれません。
メンテナンス性を考慮する
デメリットで述べたように、ソファダイニングは飲食物による汚れやソファ下の掃除がしにくいという特徴があります。
メンテナンスをより重要視したいのであれば、座面・背面シートが汚れにくいタイプやソファ下の掃除がしやすいタイプを選びましょう。
また、頻繁に洗濯して清潔を保ちたい方は、カバーリングタイプのウォッシャブル生地を選んでみてください。
座面下にお掃除ロボットやシートワイパーを使えるだけの高さがあるかどうか、なども確認しておくことをおすすめします。
ソファとテーブルのバランスを考える
通常、ダイニングテーブルには、1人掛けのチェアを組み合わせます。
ソファとテーブルをセットにするときは、横に人が並ぶことを考慮したサイズやレイアウトのバランスを考えなければいけません。
テーブル脚部の形状によっては、横並びに詰めて座れない可能性もあります。
テーブルに対して対面に座るのか、L型に座るのかといったように、どのようなレイアウトにして、何人座るのかを考えてサイズを検討しましょう。
ソファベンチは個々で前後の距離を調整しにくいデメリットがあります。
使う人の体格によって使いやすい距離感は変わりますが、あらかじめテーブルの高さとのバランスや距離感をしっかり確認してみてください。
背もたれクッションにからだを預けてくつろぐときと、食事や作業をするときでは使い心地が変わるので、シーンごとの姿勢をイメージして選ぶのも大切なポイントです。
好みのデザインにもこだわる
ソファダイニング用のソファベンチは、比較的ラインナップが少ないのが難点の一つです。
しかし、そのなかでもインテリアに合うデザインを選びましょう。
フレームが木製のものやふっくらとした背もたれクッションのあるタイプなど、好みのソファを探してみてください。
また、ダイニングではあまり気にしないポイントかもしれませんが、付属のクッションを追加してカラーコーディネートを楽しむのもおすすめです。
ソファダイニングは、部屋のなかでボリュームのある家具です。
ソファベンチ自体はシンプルなものでも、クッションでアクセントカラーを取り入れると、ぐっとおしゃれな空間を演出できます。
ソファダイニングの導入におすすめの状況
ソファダイニングの魅力や注意点、選び方のポイントについて解説してきました。
ソファダイニングはさまざまな状況下で便利に使えるスタイルですが、具体的にはどのようなライフスタイルを求めている方に向いているのでしょうか。
ここでは、ソファダイニングを導入するとよい状況をご紹介しますので、該当する方はぜひ検討してみてください。
1DKや2DKなど限られたスペースしかない
1DK・2DKなどの間取りで2人以上で生活するときには、スペースに限りがあり、十分なサイズのソファやダイニングテーブルを置けない可能性があります。
小さなソファやコンパクトなレイアウトではリラックスできないなど、快適な暮らしから遠くなってしまいます。
部屋が限られた広さしかない空間でも、大きなテーブルやソファがほしいときには、兼用できるソファダイニングがおすすめです。
在宅ワークの場所を確保したい
近年、定着してきた在宅ワークですが、ダイニングテーブルを仕事用の場所として利用している方も多いのではないでしょうか。
しかし、「食事のときには都度片付けなければいけない」「テーブルの高さや椅子が仕事に適していない」などの問題もあります。
そのため、より集中できるデスクコーナーがあると便利です。
ソファダイニングを使えば、リビングダイニングでできた空きスペースを有効に活用して、デスクコーナーを設置できます。
このように、在宅ワークや書斎コーナーを確保したい方にもおすすめです。
食後にそのままリラックスしたい
食後はお茶を飲みながら、あるいは晩酌をしながら、ダイニングスペースでリラックスしたい方にぴったりなのが、ソファダイニングのスタイルです。
ダイニングチェアでもゆっくりできますが、ソファベンチのリラックス感は別格でしょう。
長時間くつろぐことのできるソファタイプのダイニング空間で、家族や友人とゆっくりと食事をしながら団らんを楽しめます。
また、パソコンやタブレットで動画を見るなど、くつろぎ時間の過ごし方も多様化しています。
デバイスをテーブルに置いた状態でゆっくりしたい方にも向いていると言えるでしょう。
ホームパーティーを大勢で楽しみたい
ベンチソファなら横に詰められるので、来客時に人が増えても通常より多くの人が座れるでしょう。
ソファダイニングなら、限られたスペースでも大きめのテーブルを用意できるので、食事を並べてパーティーをしたいときにも便利に使えます。
また、ダイニングソファスタイルにすることで空きスペースも確保できるようであれば、エクステンションテーブルもおすすめです。
普段はコンパクトに使いながら、必要に応じてテーブルを拡張できるので大勢の人が集まるときに広く使えます。
ベンチだけでは座る席が足りない場合は、そのときだけスツールなどを利用してみてください。
おすすめのソファダイニング3選
ソファダイニングは、ソファやダイニングセットなどのように豊富なラインナップがあるとは言い難い商品です。
しかし、魅力的なブランドからインテリアを彩る素敵なソファダイニングが販売されていますのでご紹介します。
COX(コックス)|estic(エスティック)
ロンドンを拠点に活躍する日本人デザイナー・安積伸氏がデザインしたダイニングソファです。
金属製の脚部とすっきりとした座面・背面でスタイリッシュな雰囲気のデザインになっています。
アームの有無やコーナー用、背もたれのないベンチタイプなど種類も多く、さまざまなレイアウトに対応可能です。
取り扱っているブランド「estic(エスティック)」は、1976年に創業した日本の企業です。
創業以来、イタリアのトップブランドと提携し、先進的なヨーロッパモダンファニチャーの最高水準の技術や品質管理などを受け継いでいます。
モダンデザインを追求し、シンプルで機能美のある製品が魅力です。
CU57モデル|カリモク家具
愛知県に本店がある「カリモク家具」は、ダイニングセットも豊富に用意しています。
CUモデルは、ベンチタイプのソファで、木製の脚部がナチュラルな空間に合わせやすいデザインです。
適度なクッション性があり、奥行きが深いので食事以外の時間にはゆったりと背もたれにからだを預けてくつろげます。
カリモク家具は、マテリアリティ(企業の重要課題)としてサステナブルな取り組みを行っている企業です。
森林保全や里山活用の研究、環境に配慮した運搬システムの構築など、意識の高い活動を行っています。
THYME(タイム)|ACTUS(アクタス)
ヨーロッパの家具を中心として、ナチュラルからモダンまで、さまざまなインテリアにぴったりなアイテムをとりそろえている「ACTUS(アクタス)」。
「THYME(タイム)」は、ソファ・ダイニングテーブル・チェアを自由に組み合わせて使える家具シリーズです。
リビングとダイニング両方の機能を兼ねた便利なシリーズで、ライフスタイルの変化に合わせて組み合わせを変えられる仕様になっています。
しっかりとした座り心地の座面で、沈み込みにくく食事がしやすいなどダイニングでの利用も考慮したデザインです。
ソファの張り地はカバーリングタイプのため、日常的なメンテナンスがしやすく、汚れがつきやすいダイニングでも安心して使えます。
ソファダイニングのインテリアコーディネートもMAYSにお任せ!
東京・港区を中心に年間約1,000件の高級物件のコーディネートを手掛けるMAYSでは、限られたスペースでも有効に活用して居心地のよい空間を作るご提案をしています。
ソファダイニングのように場所を効率的に利用できるアイテムで、快適な生活を実現しませんか?
国内外100社以上の高品質な家具のほか、カーテンや照明などの周辺アイテムもとりそろえており、トータルコーディネートも可能です。
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文・松田 ともみ(インテリアコーディネーター)