すっきり片付くキッチンの収納・レイアウトのコツをプロが伝授
「スタイリッシュなオープンキッチンのLDKでホームパーティーを楽しみたいけれど、キッチンまわりが雑然としている……」。
このように、リビングルームと一体になったオープンキッチンの収納では、生活感が出過ぎるとLDKのインテリアが台無しになってしまいますよね。
そこで今回は、すっきり片付くキッチン収納の基本ルールと、キッチンの使用頻度に応じた収納プランを紹介します。
オープンキッチンスタイルのLDKでは、キッチン自体が大切なインテリアエレメント。
また、すっきり片付いたキッチンは、風水上も吉とされています。すぐに役立つキッチン収納のヒントを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
キッチン収納の基本ルール
従来、キッチンは浴室・洗面室などと同じ設備空間としてとらえられてきました。
ところがオープンキッチンの普及により、LDKの構成要素としてキッチンをインテリアに含めるのが近年のトレンドとなっています。
インテリアの視点でLDKのキッチンをとらえると、常にすっきりと片付いた状態が維持できる、取り出しやすくしまいやすい収納レイアウトが基本となります。
そこで、まず押さえたいのがキッチン収納の基本ルールです。
キッチンに必要な物を吟味する
キッチンの相談で多いのが、収納についての問題です。
収納スペースが不足しているというご相談ですが、実際にキッチンを拝見すると、収納スペース以前の問題として、不用品を抱え込み過ぎているケースが目立ちます。
収納スペースが不足していると感じたら、まず次の項目を参考にしてキッチンに置く物の総量を制限しましょう。
|キッチンには約40点の調理用品と80点もの食器類が保有されている
キッチンに収納する主な物は、以下の通りです。
- ・調理用品(鍋類、レードル類、ボウル)
- ・調理家電(オーブントースター、電子レンジ、炊飯器など)
- ・食器類
- ・調味料や食材
- ・ペーパータオル・スポンジ・洗剤・タワシなどの消耗品など
2019年にキッチンメーカーのクリナップ株式会社が行った調査によれば、キッチンには平均約40点の調理用品と80点もの食器が収納されているそうです。
まずは、本当に必要な物とそうでない物を見極めるところからスタートしましょう。
|1年間使わなかった物は処分する
いつか使うかもしれないからという理由で、なんとなく保存している密閉容器やノベルティなどに心あたりはありませんか?
名残惜しいのも理解できますが、思いきって1年以上使っていない調理小物や消耗品は定期的に処分しましょう。
|ストックは数を決めて保存する
キッチンにパントリースペースがない場合、急病や被災時に備える食品ストックは最低3日〜1週間×人数分と決めて保存します。
アルミホイルや食品ラップなどの調理用品などもストック数を決めて必要最小限にとどめましょう。
よく使う調理道具は取り出しやすいアイレベルゾーンに収納する
「使用頻度の高い物は手の届きやすいアイレベルゾーンに収納」することが、キッチンに限らず収納の基本ルールです。
アイレベルゾーンとは、しゃがんだり背伸びをしたりせずとも無理なく手の届く範囲のことで、高さで言うと800〜1,500mmとなります。
|調理道具はフロアキャビネットに作業効率良く収納
キッチンのフロアキャビネットは、シンク用キャビネット・調理台用(食洗機用)キャビネット・加熱機器用キャビネットの3セクションで構成されています。
手際よく料理をするためには、下ごしらえ→調理→盛り付け・配膳、という一連の調理手順に従って、必要な道具が近くにあることが大切です。
材料を洗ったり切ったりする道具はシンク用キャビネット、調味料を計量する道具は調理台用キャビネット、加熱調理する場合は加熱調理機器用キャビネットに収納します。
しかしながら、最近のキッチンでは、調理台用キャビネット下には食器洗浄乾燥機、加熱機器用キャビネット下にはオーブンレンジがビルトインされている物件が増えています。
間口450mmの引き出しタイプの食洗機をビルトインする場合は、調理台キャビネットの間口を300〜450mm広く取り、調理用具を収納するスペースを確保すると、作業効率がよくなります。
オーブンレンジは、スペースに余裕があれば、キッチン背面のアイレベルゾーンに設置するほうが負担なく調理できるでしょう。
フロアキャビネットのシンク・調理・加熱調理の各セクションごとに、使用頻度の高い道具を、すぐに取り出せる収納が重要です。
|【収納場所別】作業動線に合った収納方法
「調理道具をすぐ取り出せる場所に収納する」という基本ルールを踏まえて、各フロアキャビネットに収納すべき物は以下の通りです。
- ・シンクエリア:まな板、包丁、ボウルやザル、バット、洗剤・スポンジブラシ類
- ・調理台エリア:計量用品、基本調味料(瓶類含む)スパイス、レードルや菜箸、乾物や米など使用頻度の高い食材
- ・加熱機器エリア:鍋類としゃもじ・レードル類
オープンキッチンでは、通常フロアキャビネットの上にはつり戸棚はつけません。
そのため、食器や食品、調理家電類は、キッチンの背面収納やパントリーなどに収納します。
キッチンの背面収納には、以下のような物を収納します。
- ・コーヒーメーカー
- ・炊飯器
- ・電気ポットなど日々使う調理家電
- ・ラップ
- ・ペーパータオル
- ・アルミホイルなどの調理用消耗品
- ・食器類
- ・はし
- ・カトラリー類
- ・ストックする食品類
- ・ゴミ箱
|収納方法は「引き出しタイプ」が主流に
キッチンの収納方法は、引き出しタイプが主流となっています。
ゆっくりと閉じるブルモーション機能の付いた引き出しであれば、重い鍋類や食器類も収納可能です。
引き出しのサイズと開閉機構によって耐荷重が違いますので、特に重い物を収納する場合は、取扱説明書などで確認しましょう。
また、背面収納のアイレベルゾーンより上の部分は、従来開き戸方式のつり戸棚が使われていました。
しかし近年は、地震の際にも安心な引き戸スタイルを選ぶお客様が増えています。
見せる収納・隠す収納のメリハリをつける
LDKが一体となっているオープンキッチンでは、メリハリのある「見せる収納」と「隠す収納」の使い分けがインテリアのポイントになります。
|見せる収納は、照明の演出も忘れずに
背面収納のカウンター部分だけでなく、グラス・シルバーウェア・カップ&ソーサーのセットなど愛用のテーブルウェア類を見せる収納としてフォーカルポイントにするのもおすすめです。
壁にコーニス照明などの間接照明を取り入れると、印象的なキッチンになります。
|まな板・洗剤・スポンジ・ゴミ箱などは隠す収納で
オープンキッチンでは、まな板・洗剤・スポンジは乾燥したらシンク下に収納します。
ゴミ箱は背面収納にスペースを確保するか、パントリースペースに置くなど、隠す収納を徹底すると、すっきりと片付くキッチンを維持できます。
ふきん・水切りカゴは極力使わずに、食器洗浄乾燥機を活用するとすっきりレイアウトできるでしょう。
【キッチン使用頻度別】すっきり片付くオープンキッチン収納のヒント
オープンキッチンはLDKの中でもどうしても生活感が出やすい場所です。
どんなに素晴らしい家具をコーディネートしても、キッチンが雑然としているとインテリアは台無しになってしまいます。
そこで、キッチンの使用頻度別にすっきり片付く収納のヒントをご紹介します。
外食またはテイクアウトメインで調理をしない場合
調理器具・食器や食材を中途半端にそろえず、必要最低限の物だけを収納します。
また家電や食器・調理用具類のリースサービスも積極的に検討しましょう。
調理をしなくても、テイクアウト食品や冷凍食品の活用で食事が楽しめる時代です。
以下のように必要最小限のアイテムを軸に収納しましょう。
- ・冷蔵庫
- ・電子レンジ
- ・汎用性の高い食器とカトラリー
- ・スタイリッシュなゴミ箱
- ・ペーパータオル
- ・好みのドリンク類
- ・非常食など
特に、背面収納の家電調理機器スペースは、オープンキッチンのフォーカルポイントですのでスタイリッシュな調理家電を厳選して配置しましょう。
ホームパーティーを楽しみたいが普段はほとんど調理をしない場合
オンとオフを使い分ける人にとって、オープンキッチンはLDKの見せ場にもなります。
オフの日に友人を招いて、得意料理を楽しんでもらうときには、リビングダイニングと一体になったキッチンが大活躍します。
これまでに担当したお客様のなかにも「ライブキッチン」としてご友人を巻き込んで、料理を披露される方がいらっしゃいました。
内容がそれてしまいましたが調理用具は、自分の得意料理に使う物からそろえ、取り出しやすくしまいやすいアイレベル収納を心がけましょう。
週3回以上料理をする場合
週3回以上調理をする場合は、調理器具や常備する食材などが徐々に増えてしまうので、背面収納のデザインと使い勝手がポイントになります。
背面収納のほかにパントリースペースがある場合は、物が増えてもパントリーで調整できるのですが、パントリーがない場合は背面収納が要です。
具体的には、週3回以上料理をするケースでは、取り出しやすさも考えて背面収納を上段・中断・下段と3つに分けると作業効率がアップします。
上段には、軽い物で使用頻度の少ないアイテムを収納するとよいでしょう。ラップの予備や保存容器などがこれに該当します。
中段には、アイレベルも考慮し使用頻度が高い普段使いの食器類を収納するのがおすすめです。
そして、下段には使用頻度の低い物や重たい物をレイアウトすると作業効率もスムーズでしょう。ゴミ箱なども下段に収納するといいですね。
インテリアの視点から見たキッチン収納レイアウトのポイント
オープンキッチンの収納をインテリアの視点で見つめ直すと「隠す収納」「見せる収納」に大別できます。
「隠す収納」の活用でクールモダンなインテリアに
LDKというくつろぎ空間の中にうまくキッチンを取り入れるために、近年よく使われるのが、スライド式ドアによる丸ごと背面収納システムです。
オープンキッチンの背面に、天井までのスライド式ドアを取り付けて、冷蔵庫やゴミ箱も含めた背面全体を収納スペースとして活用します。
普段は冷蔵庫やゴミ箱部分をオープンにして、来客の際はスライドドアを閉じるという使い方が可能です。
上の画像のように鏡面仕上げのスモークグレーを選ぶと、キッチンの生活感が出ないスタイリッシュな空間を演出できます。
クールモダン、スタイリッシュなインテリアにマッチします。
オープン棚を使った「見せる収納」でナチュラルテイストのインテリアに
上の画像のように、オープン棚を活用して、アクセントとなるキッチンアイテムやグリーンを配置した見せる収納は、ナチュラルテイストのインテリアにマッチします。
棚に飾るキッチンアイテムの色や材質によって、フレンチカントリーやプロバンススタイルの空間にコーディネートできます。
「見せる収納」でラグジュアリーなインテリアに
お気に入りのグラスや食器を「見せる収納」で楽しむなら、オープンキッチンのフォーカルポイントとなる背面収納をガラス仕上げにしてレイアウトするのも1案です。
間接照明でガラスをライトアップできれば、グラスの美しさが際立ち、イタリアンモダンなどのラグジュアリーな空間になじみます。
また、シンメトリーに配置されたグラスと食器の絶妙なバランスがクールモダンなインテリアを彩ります。
キッチンだけでなくインテリアコーディネート全般のお悩みならMAYSへ
MAYSは、上質なインテリアによってお客様に1ランク上のライフスタイルを提供するインテリアコーディネート、高級家具リース企業です。
創業以来、港区を中心に年間約1,000件のインテリアのご相談を承っております。この実績を踏まえて、インテリアのご提案から搬入までをトータルサポートいたします。
「オープンキッチンをうまく取り込んだLDKのインテリアを提案してほしい」「キッチンの背面収納について相談したい」とお考えでしたら、ぜひMAYSにご相談ください。
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ぜひ、インテリアコーディネートのお悩みはMAYSへご相談ください。
文・藤江 薫(二級建築士・宅地建物取引士・インテリアコーディネーター)
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