上質なインテリアに不可欠。タイムレスな魅力あふれる名作ダイニングテーブル8選
オープンキッチンスタイルのLDKが増えるなか、材質や形など、個性豊かなダイニングテーブルが登場しています。
一方で「イメージに合ったダイニングテーブルがなかなか見つからない……。」と悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、国内外の一流家具メーカーから、新旧の名作ダイニングテーブルをご紹介します。
インテリアにマッチしたダイニングテーブル選びに役立ててください。
目次
- 名作ダイニングテーブルの系譜
- ダイニングテーブルの材質
- タイムレスな魅力あふれる古今東西のダイニングテーブルの名作8選
- CAB TAB(キャブ タブ テーブル)|Cassina(カッシーナ)
- テン ダイニング (21) ソリッドテーブル|CondeHouse(カンディハウス)
- N-DT01|KARIMOKU CASE STUDY(カリモクケーススタディ)
- Athos ’12(アトス12)|B&B Italia(ビー・アンド・ビー・イタリア)
- LIAM(リアム)|Riva(リーヴァ)
- PLATNER COLLECTION TABLE(プラットナー コレクション ラージラウンド ダイニングテーブル)|Knoll Studio(ノル スタジオ)
- Saarinen Collection Oval Table(サーリネン コレクション オーバルテーブル)|Knoll Studio(ノル スタジオ)
- ALICANTE(アリカンテ)|BoConcept(ボーコンセプト)
- ダイニングテーブルのインテリアコーディネートなら実績豊富なMAYSへ
名作ダイニングテーブルの系譜
ライフスタイルの多様化や、住まいのデザインが変化するなかでダイニングテーブルに求められる役割も変化しています。
従来、ダイニングテーブルといえば「木製で長方形の食事用の机」というイメージが根強いものでした。
欧米の上流階級の住宅では、ダイニングルームでフォーマルな食事をする社交の機会が多く、ダイニングテーブルも重厚で装飾的な木製ダイニングテーブルが主流だったのです。
20世紀以降、金属・ガラス・コンクリート・樹脂などの新素材をつかったモダンな建築様式が台頭するのに連動して、これまでにないシンプルなデザインのダイニングテーブルが注目されるようになります。
1950年代以降には「ミッドセンチュリーモダン」とよばれる、ガラスやスチールを使った、ダイニングテーブルの名作が数多く登場しました。
さらに21世紀に入ると、日常生活を大切にするライフスタイルの浸透により、オープンキッチンスタイルのLDKが普及することになります。
ダイニングテーブルは食事だけでなく、談笑したり、仕事をしたり、読書をしたりとマルチに活躍する存在感の大きな家具の一つとして位置づけられました。
本コラムでは、タイムレスな魅力のある古今東西の名作ダイニングテーブルをご紹介いたします。
なお、ダイニングテーブルの選び方については、以下記事に記載されていますのでぜひ参考にしてみてください。
ダイニングテーブルの材質
まずはダイニングテーブルに用いられる材料について、整理しましょう。
ダイニングテーブルの天板(てんばん)に使われる材料には、木材・セラミック・ガラス・石材などがあります。
木材
天板に木材を使ったダイニングテーブルは、無垢材と突板に大別されます。樹種や、仕上げ方法・加工方法によって、さまざまな特色があります。
無垢材
無垢材のダイニングテーブルは、天然木そのものを使います。
木取りを行い、乾燥させてから加工します。
ダイニングテーブルは二枚接ぎ・三枚接ぎ、ブックマッチ、ランダムマッチ、集成材など材料を接いで使うのが一般的です。
接ぎのない天板は一枚ものと呼ばれ、非常に希少価値があります。
また、ウォルナット・メープル・ブラックチェリー・オークなど樹種によって、それぞれ特色のある色調や無垢材ならではの手触りを楽しめます。
樹木には一本一本個性があり、無垢材のテーブルは、色調や木目が違っているところも魅力の一つです。
無垢材のダイニングテーブルは、北欧スタイルやジャパニーズモダンスタイルなど、ナチュラルな木の質感を大切にするインテリアスタイルにマッチします。
無垢材のダイニングテーブルのメリットは、次のとおりです。
- 天然木ならではの手触りとあたたかな質感を楽しめる
- 使い込むほど味わいが出る。色合いの経年変化を楽しめる
- 傷ができても、程度によっては補修が可能
- 無垢材ならではの存在感
- 木目や色合いは、一点一点異なる
無垢材のデメリットは、次のとおりです。
- 突板より重い
- 天板の厚さや、無垢材の乾燥状況、ダイニングテーブルを設置する場所の乾燥状況によっては、割れたり反ったりする可能性もある
突板
天然木を0.2〜0.6mmにスライスして、合板・MDF・集成材などの芯材に貼り付けたものを突板(つきいた)と称します。
テーブルの天板をはじめ、サイドボードや引き出しなどにも広く使われるようになりました。
天然木を貼り付けているため、一見しただけでは突板か無垢材なのか素人には判断できないダイニングテーブルも増えています。
無垢材と突板を見分けるには、断面(木口)部分を確認します。突板は木口部分を木口テープなどのエッジ材でカバーしているのが特徴です。
突板のダイニングテーブルには次のメリットがあります。
- 軽量である
- 天板が反るリスクが無垢材に比べると少ない
デメリットは次のとおりです。
天板をえぐるような深い傷ができると補修が難しい
長期間使っているうちに、剥がれる可能性がある
木製ダイニングテーブルの仕上げ
木材を使ったダイニングテーブルの仕上げは、オイル仕上げとウレタン仕上げが主流です。
オイル仕上げは、浸透性のある植物性オイルで仕上げます。
塗膜を作らないため、木の質感を楽しめるのが特徴です。また、時間の経過と共に味わいのある風合いが出てきます。
一方で、オイル仕上げのテーブルは輪じみができやすいので、食事の際はコースターやランチョンマット、テーブルクロスを使うことをおすすめします。
水をこぼしたときには、ただちに拭き取るのが手入れの基本です。
ただし、無垢材のテーブルにオイル仕上げをした場合は、多くの場合、紙やすりと補修用のオイルを使って補修できる可能性があります。
ウレタン仕上げはポリウレタン樹脂で塗膜をつくるため、水に強く、手入れが楽です。
ただし、保護塗膜を作るため木は呼吸ができなくなります。
最近のウレタン塗装は以前のような不自然な光沢はありませんが、長期間使い続けると、塗膜自体に細かい傷ができます。
ガラス
ガラスの天板を使ったダイニングテーブルは、圧迫感がなく、クールモダンなイメージの空間にマッチします。
ペンダントライトの明かりを美しく反射するため、魅力的なフォーカルポイントを演出できるでしょう。
一方で、食器類を直接置くと細かい傷ができやすく、また埃や指紋が目立ちやすいので、こまめに手入れをする必要があります。
セラミック
ダイニングテーブルの材料として近年注目されているのが、熱・傷・汚れに強いセラミック素材です。
キッチンのカウンタートップなどにも使われており、天然素材ならではのニュアンスのある質感と機能性を兼ね備えています。
磁器素材のため、グレージュ系などのニュアンスカラーやテクスチャを楽しめるのも特徴です。
インダストリアルインテリアから、シンプルモダンなインテリアまで、多彩なインテリアにマッチします。
大理石
大理石のダイニングテーブルの魅力は、丈夫で手入れが楽であり一点もののため、同じ柄が存在しない点です。
ただし、重量があり、ものを落とすと割れるリスクがあります。
タイムレスな魅力あふれる古今東西のダイニングテーブルの名作8選
材質や形態に特色のある、国内・海外のダイニングテーブルの名作をご紹介します。
CAB TAB(キャブ タブ テーブル)|Cassina(カッシーナ)
建築家マリオ・ベリーニが1977年にデザインした、CABチェアとコーディネートできるダイニングテーブル。
CABチェアと同一デザインのサドルレザーを使うなど高度な職人技が施されており、優雅なフォルムが魅力的です。
使い込むことによって、味わい深い光沢を楽しめるサドルレザーの魅力は、カッシーナならではの特徴でしょう。
オーセンティックでしゃだつなイタリアンモダンスタイルのインテリアにマッチします。
天板は木材、大理石から選べますが、サドルレザーの脚部とのコーディネートを考えると、大理石をおすすめします。
テン ダイニング (21) ソリッドテーブル|CondeHouse(カンディハウス)
ドイツの家具デザイナー「ミヒャエル・シュナイダー」による、オイル仕上げの無垢材が特徴的なダイニングテーブルです。
木目の美しい天板は、北海道のタモ材またはウォルナットの無垢材から選べます。木目を不規則に並べて接ぐランダムマッチ手法で仕上げているのが特徴です。
N-DT01|KARIMOKU CASE STUDY(カリモクケーススタディ)
KARIMOKU CASE STUDY(カリモクケーススタディ)が、デンマークを拠点として活動する、Norm Architects(ノームアーキテクツ)との協業によって製作した、木の魅力を楽しめるダイニングテーブルです。
ノームアーキテクツは、ミニマムなデザインと自然な心地よさを大切にした家具・建築デザインを行うデザイン会社。
テーブルを支える二本の脚は、見る角度によって薄く見えたり、厚く見えたり、印象が変わります。
デンマークと日本に共通するミニマルなものづくりスピリットを体現した、凛とした佇まいのダイニングテーブルです。
北欧スタイル・ジャパニーズモダンスタイル・ミニマムなインテリアにマッチします。
Athos ’12(アトス12)|B&B Italia(ビー・アンド・ビー・イタリア)
イタリアの建築家パオロ・ピヴァがデザインした、二本脚タイプのダイニングテーブル。
ロの字型で天板を支えるクロームメッキのシャープな脚と、異なる素材の木の天板をバランスよく配置し、発売以来、根強い人気のあるダイニングテーブルです。
2012年には、脚部の構造や天板のディテールなどを、より洗練された形にリ・デザインしたAthos ’12(アトス12)が発表されました。
天板の丸みを帯びた端部が印象的で、木目を活かした美しい天板が宙に浮いているような、浮遊感のあるフォルムが特徴的です。
21世紀の名作ダイニングテーブルの一つであることは間違いありません。
天板をエクステンションできるタイプでは、最大320cmまで天板を伸ばせて、最大12人が着席できます。
イタリアンモダンをはじめ、クールでスタイリッシュなインテリアにマッチする、ハイエンドなダイニングテーブルです。
LIAM(リアム)|Riva(リーヴァ)
CR&S RIVA 1920がデザインした木製ダイニングテーブル。
スチール製のベースで脚を支えることによって、アンシンメトリーな位置で天板を支えられる構造です。
上の画像のように、天板がキャンティレバー(片持ち)状に張り出すダイナミックなデザインが魅力的ですね。
天板は厚さ5cmの無垢のオーク材、もしくはウォールナット材のオイル仕上げから選択できます。
無駄な要素のない、研ぎ澄まされたフォルムで、ナチュラルモダンテイストなど、質感を大切にしたシンプルな空間にマッチします。
CR&S RIVA 1920社はイタリアの家具メーカーで、木の魅力を最大限に引き出すダイナミックな家具デザインが特徴です。
PLATNER COLLECTION TABLE(プラットナー コレクション ラージラウンド ダイニングテーブル)|Knoll Studio(ノル スタジオ)
1966年に、Knoll(ノル)社より発売されたウォーレン・プラットナーデザインの名作ダイニングテーブルです。
満開の花のようなデザインは、北米ミッドセンチュリーデザインのアイコニックな存在として、人々を魅了してきました。
テーブルを支える脚部は円形フレームに100本以上のワイヤーを溶接して構成する、日本の竹細工のような陰影に富むデザインです。
直径135・152cm、2タイプのダイニングテーブルのほか、ローテーブルやチェアなどが、プラットナーシリーズとして製造されています。
このテーブルを置くことによって、LDKをなごやかで華やかな空間に変えてくれることは間違いありません。
ミッドセンチュリースタイルや、シンプルモダンなインテリアにマッチします。
Saarinen Collection Oval Table(サーリネン コレクション オーバルテーブル)|Knoll Studio(ノル スタジオ)
エーロサーリネンが1956年に発表した、北米ミッドセンチュリーモダンを代表するダイニングテーブルです。
天板は円形、楕円形の2タイプあり、天板のサイズや材質のバリエーションが豊富です。
上の画像のように、同一デザインのダイニングチェアとセットで使うと、天板下の脚部も非常にすっきりと見えます。
花の茎のような脚とカーヴィな背もたれがチューリップの姿に似ていることから、このシリーズは、「チューリップチェア」「チューリップテーブル」という愛称で呼ばれています。
時代を超えて人気のあるダイニングテーブルです。
ミッドセンチュリースタイルをはじめ、シンプルなアーバンスタイルの空間にマッチします。
ALICANTE(アリカンテ)|BoConcept(ボーコンセプト)
ダイナミックなスチール製の脚部と、スリムなセラミック天板のコントラストが際立つ、スタイリッシュなダイニングテーブル。
ALICANTE(アリカンテ)は、デンマークのデザイナー、レネ・ホウガードが手がけた、印象的なダイニングテーブルです。
レネ・ホウガード率いる「デザインスタジオARDE」の名称は、Architect(建築家)とDesigner(デザイナー)、それぞれ最初の2文字を組み合わせています。
アリカンテは、ダイニングテーブルに求められる機能に満足するだけでなく、丈夫で美しく薄いという、セラミック材の特質を最大限に引き出したデザインが魅力です。
普段は、幅99cm×長さ140cmで使い、ホームパーティーなど来客の際には天板中央部に格納されている補助天板をセットして、幅99cm×長さ190cmにエクステンション可能です。
セラミックカウンタートップのオープンキッチンとコーディネートするなど、クールモダンなインテリアにマッチします。
ダイニングテーブルのインテリアコーディネートなら実績豊富なMAYSへ
MAYSは1988年の創業より、都内港区を中心に毎年約1,000件のインテリアコーディネートを承ってまいりました。
エグゼクティブ層を対象としたインテリアコーディネートから、リースサービスの提案まで、お客様の「ワンランク上の上質な住まいと暮らし」の実現に向けて、サービスをご提供しています。
春は、新居への引っ越しや、模様替えでインテリアを見直す絶好の季節です。
「イメージするダイニングテーブルが見つからない」
「リビングルームのインテリアを見直したい」
「印象的な玄関ホールにしたい」
このようなインテリアについてのご相談は、ぜひMAYSにお声がけください。
文・藤江 薫(二級建築士・宅地建物取引士・インテリアコーディネーター)