オフィスにアートを取り入れる効果って?オフィスに合うアートの種類や取り入れる手順を解説
従業員の貴重なコミュニケーションの場としてオフィスの重要性が再認識されている昨今、心地よい職場環境を整える一環としてオフィスにアートを導入する企業が増えています。
その一方で、アートにはどのような効果があるのか、アートでオフィスがどのように変わるのかイメージできない方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、オフィスにアートを取り入れる企業が増えている理由や効果、取り入れやすいアートの具体例などをご紹介します。
本記事を参考にして、おしゃれで働きやすいオフィスづくりをしましょう。
目次
オフィスにアートを取り入れる企業が増加!アートを飾る効果とは
オフィスにアートを取り入れる企業が増加している背景には、アートが持つ以下の効果が大きく関係しています。
- 従業員のストレス軽減につながる
- コミュニケーションの促進につながる
- 価値観の表現になる
- 来訪者へインパクトを与える
- ブランドイメージの強化になる
- 創造性と生産性を向上させる
それぞれの効果と、アートがオフィスにもたらすメリットについて具体的に解説します。
従業員のストレス軽減につながる
オフィスにアートを取り入れる企業が増えている背景には、従業員のストレスを軽減する効果が期待できることが挙げられます。
オフィスアートで空間を彩ることにより、以下のようなストレス反応から従業員を守りやすくなります。
- 心理的反応:抑うつ・イライラ・集中力の低下
- 身体的反応:倦怠感・頭痛・肩こり
- 行動的反応:遅刻・欠勤・仕事の生産性の低下
オフィスアートでストレスの軽減やリラックス効果が高まることにより、職場の雰囲気がよくなるのも魅力です。
結果的に休職や退職、人為的ミスといった予期せぬトラブルの回避につながり、社員のパフォーマンス向上が期待できるでしょう。
コミュニケーションの促進につながる
オフィスにアートを取り入れることで、社員間のコミュニケーションが活発になる効果も期待できます。
アート作品をきっかけとして自然と会話が弾み、社員同士の距離が近くなるでしょう。
特にリモートワークが普及し顔を合わせて仕事をする機会が少なくなっている現在、コミュニケーションを育むアートの存在感は重要性を増してきています。
アートには雰囲気の改善やストレス軽減効果もあるため、ユーモアに満ちた楽しい会話や人間関係、コミュニケーションが築けるでしょう。
価値観の表現になる
オフィスにアートを導入することにより、「社員」と「来訪者」に言葉では伝えにくい企業の価値観やメッセージを表現できます。
アートで価値観を表現するメリットは以下の通りです。
- 企業のアイデンティティを強化できる
- 社員の誇り・団結力・モチベーションが高まる
- 高い生産性をキープしやすくなる
- 来訪者に好印象を与えやすい
選び抜かれたアート作品は、企業のビジョンや文化を象徴する存在として企業のアイデンティティを強化してくれます。
アイデンティティを強く打ち出すことにより、社員の誇りや団結力、モチベーションが高まるでしょう。
社員一人ひとりが価値観を共有することでチームワークもよくなり、高い生産性をキープしやすくなるのもメリットです。
美術鑑賞を通じて想像力が磨かれるため、創造的な発想を促す効果も期待できます。
来訪者へインパクトを与える
初めて訪れる来訪者に強いインパクトを与えられることも、オフィスにアートを取り入れる 効果です。
例えば、美しく配置されたアート作品は企業の洗練されたイメージやホスピタリティを印象付け、信頼感の構築につながります。
デザインによっては、「勢いのある元気な会社」という第一印象を与えられるかもしれません。
特にビジネスの場では、初対面の印象が重要視されるため、アートの持つ視覚的な効果は非常に大きいといえます。
また、アートには癒し効果も期待できるので、長時間の会議や商談の際に来訪者がリラックスできる和やかな雰囲気を演出できるのもメリットです。
なお、飾り方にも空間ごとにポイントがあります。
来訪者に第一印象を与える「受付」には、花の絵画がおすすめ。
商談を重ねる「応接室」には、癒しの雰囲気をもたらす風景画を飾るとよいでしょう。
このように、オフィスにアートを取り入れる際は空間のコンセプトを意識して飾ってみてください。
ブランドイメージの強化になる
ブランドイメージの強化につながることも、アートがオフィスにもたらす効果の一つです。
アートは見る人に強いインパクトを与えるため、企業のブランドイメージを高める最適なツールになります。
ブランドイメージを強化すると、売り上げが向上したり、他社と差別化できたりするでしょう。
企業文化の一環としても、アートを活用することが一般的になってきています。
ブランドイメージ強化の目的でオフィスアートの導入やデザインを提案する企業も増えており、アートをオフィスに取り入れるための支援も活発に行われています。
創造性と生産性を向上させる
創造性と生産性の向上につながることも、オフィスにアートを取り入れる効果です。
アートから視覚的な刺激を受けることで脳が活性化され、従業員の創造性が引き出されます。
特に、自由な発想が求められるクリエイティブな業務においては、アートは非常に効果的でしょう。
また、創造性に富んだ職場環境であれば、何か問題が生じたとしてもそれを解決するアイデアが次々と生み出されるため、企業全体の生産性が向上します。
何もない殺伐とした環境よりアートのある心地よい空間のほうが、製品(作品)や職場環境がよりよくなり、企業の競争力が高まります。
内部リンク:「アート 効果」
オフィスアートを取り入れる手順
オフィスにアートを取り入れる手順は簡単で、まず予算を設定し、次にデザインを決めるという2ステップになります。
ポイントを交えながらそれぞれ詳しく解説します。
予算を設定する
オフィスにアートを導入するには、まず予算を設定します。
オフィスアートの導入にかかる費用を算出し、その範囲内でどのようなアート作品を選ぶかを決定しましょう。
アートは1点あたり数万〜数百万円と幅が広く、種類やサイズ、作者やイメージによっても費用が大きく異なります。
そのため、あらかじめ飾る場所や何点飾るのかを決めておくと予算が立てやすくなります。
アート作品は経費として減価償却できますが、その際には1点あたり100万円未満でなければなりません。
予算を決定する際には、経費計上できることも視野に入れつつ、サイズや作品を決めましょう。
デザインを決める
予算が決まったら、次はオフィスに取り入れるアート作品のデザインを決定していきます。
アート作品の選定にあたっては、「企業のブランドイメージ」や「オフィスのデザイン」に合ったものを選ぶことが重要です。
例えば、企業のブランドイメージを大切にしたい場合は、コーポレートカラー(企業のイメージカラー)を取り入れてみてください。
オフィスのデザインに関しては、従業員の働きやすさを損ねないよう現状のレイアウトをいかすようなデザインがおすすめです。
このようにデザインを決める際には、アート作品がオフィスにもたらす雰囲気や、従業員や訪問者に与える影響を考慮して決めましょう。
作品が決まらない場合は、オフィスデザインや内装工事を手掛ける企業に相談するのも一つの方法です。
オフィスに取り入れやすいアート作品
オフィスに取り入れやすいアート作品は以下の3つがおすすめです。
- 絵画
- 壁画(ミューラル)
- 彫刻やオブジェ
それぞれの特徴とオフィスにもたらす効果をご紹介します。
絵画
絵画は、オフィスアートのなかで最も一般的なアート作品です。
オフィスの壁に美しい絵が飾られていると、高い生産性につながる「創造力」と心地よい「リラックス空間」が共存する理想的な職場環境に仕上がります。
例えば、カラフルな抽象画はリラックスに通じる開放的な雰囲気と創造力をかき立てる鮮やかさがあり、オフィスアートに最適です。
サイズや作品の幅が広いので、オフィスに合う作品を見つけやすいのも絵画のメリットです。
応接室や受付、従業員のフロアなど目的に合わせてデザインを選びたい場合は、作品数が多い絵画が適しています。
壁画(ミューラル)
壁画(ミューラルまたはウォールアート)は、オフィスアートのなかでも特にダイナミックでインパクトを与える作品です。
壁一面に描かれた壁画はオフィス全体の雰囲気を一変させ、モチベーションを高める効果を期待できます。
近年では日本でもオフィスや地下鉄の構内、公共施設などへの導入が増えており、親しみのある方も多いのではないでしょうか。
ペンキ特有の臭いもほぼないため、職場の快適性や心地よさが損なわれる心配もありません。
玄関に壁画を描くと従業員から来客者まで幅広い方の目に留まるので、企業のシンボルとしてぜひ取り入れてみてください。
彫刻やオブジェ
彫刻やオブジェはラグジュアリーで立体感があり、企業の品格を高める効果が期待できます。
置き場所としては受付やロビー、休憩スペース、応接室などがおすすめです。
会社の顔となる受付やロビーに飾れば、訪問者に会社の独自性やセンスが伝わるので、ブランドイメージが強調されます。
休憩スペースに飾れば従業員がリラックスできる癒しの空間となり、応接室に飾れば格式高いおもてなしの空間を演出できます。
オブジェとアートは相性がよいため、それぞれが引き立つようにバランスよく取り入れましょう。
オフィスに合うおしゃれなアートスタイル
オフィスに合うおしゃれなアートスタイルを4つご紹介します。
- 自然をモチーフにしたアート
- ミニマルなデザインのアート
- サステナビリティなアート
- インタラクティブなアート
アートスタイルのそれぞれの特徴を見ていきましょう。
自然をモチーフにしたアート
オフィスアートのトレンドとして「自然モチーフのデザイン」が注目を集めています。
自然モチーフのデザインとは草木や水、山々などの自然風景が描かれたアート作品で、視覚的に穏やかな印象を与えてストレスを軽減しやすいメリットがあります。
自然をテーマにしたアートをオフィスに取り入れることで、リラックス効果や集中力の向上が期待できるでしょう。
窓が見えないオフィスの一面に、リーフ柄の壁画を描くアートも人気があります。
オフィスを心地よい空間にすることは、働く従業員の精神面をサポートすることにつながります。
ミニマルなデザインのアート
シンプルで洗練された空間を強調したい場合は、ミニマルなデザインのアートがおすすめです。
ミニマルなデザインのアートとは、モノトーン(黒・白・グレー)で構成されたものや抽象画、シンプルなモダンデザインなどが挙げられます。
無駄を削ぎ落としたデザインは従業員が集中しやすく、作業効率を高める効果が期待できます。
そのため、特に会議室のような部屋におすすめです。
また、シンプルさを追求しつつも、殺伐とした雰囲気にならないこともミニマルなデザインの特徴です。
洗練された集中しやすい雰囲気と心地よさが共存するオフィス環境にしたい場合は、ミニマルなデザインのアートを取り入れてみてください。
サステナビリティなアート
サステナビリティなアートとは、リサイクル素材を使用した作品であり、オフィスアートのトレンドの一つとして注目されています。
オフィス空間にリサイクル素材を使用したアートを取り入れることで、環境意識の高さを示しつつ、独自性のあるデザインを実現できる点が魅力です。
SDGsや脱炭素社会の実現など環境問題を事業の柱としている企業にとって、サステナビリティなアートは企業のイメージ戦略に最適です。
また、日々目に留まる場所にサステナビリティなアートがあると、資源の無駄遣いはしないという社員の意識向上にもつながります。
インタラクティブなアート
オフィス環境に新しい風を吹き込み、創造力を高めることを目的として、インタラクティブアートを導入するのもおすすめです。
インタラクティブアートとは、観客を参加させることで表現を成立させるアートのことです。
表現空間に観客を巻き込んで映像に観客の反応を取り込んだり、パフォーマンスやゲームに参加させたりします。
このような表現を通して、クリエイティブな活動につながったりコミュニケーションの促進ができたりと、チームビルディングの一環として活用できます。
インタラクティブなアートは、日々の業務に新しい価値を吹き込む新たな表現スタイルとして、今後ますます注目されるでしょう。
文・ライチ1214(大手ハウスメーカー元社員)