70平米のマンションは狭い?間取りの特徴やインテリアのコツを解説
新居のマンションを探しているときに、「2LDK50平米」「2LDK70平米」など
平米数で表記されているケースがよく見られます。
しかし、70平米のマンションと言われても、ピンとこない方も多いかもしれません。
- 実際にはどれくらいの広さがあるのか
- 何人家族で暮らすのに適しているのか
- 生活に十分な広さや動線が確保できるのか
などの疑問が湧いてくるのではないでしょうか。
そこで本記事では、70平米がどれくらいの広さなのかを解説し、快適に暮らすためのインテリアのコツも紹介します。
70平米のマンションの具体的な広さの感覚をつかめるようになり、家具選びやコーディネートのポイントをおさえることで生活をイメージできるでしょう。
おしゃれで快適な暮らしを実現させるヒントを見つけてみてください。
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目次
そもそも70平米のマンションってどのくらい?
日本では「畳数」で部屋の広さを考えるケースが多く、平米数では広さを把握しにくい現状があります。
そこで、まずは平米数を畳数にして考えてみましょう。
1平米は「0.5~0.6畳」のため、70平米の広さを畳数に置き換えると「35~42畳」です。
マンションの場合、約20平米分はトイレ・バスルーム・廊下などにあてられます。
つまり、実際の居住スペースは、50平米=約30畳の広さです。
では、LDKはどれくらいの広さになるのでしょうか。
一般的に70平米のマンションでは3LDKの間取りが多いものの、リビングダイニングを広めにした2LDKの間取りも見られます。
あるいは、リビングダイニングに隣接した一部屋をオープンにして、リビングの続きとして使えるようになっているケースもあります。
水回りの広さや間取りの形状によって異なりますが、3LDK・2LDKそれぞれの部屋の広さ目安は以下の通りです。
3LDK
・LDK:11畳(約17.8平米→縦横長さ例:3.3×5.4m)
・寝室:8畳
・各居室:6畳×2部屋
2LDK
・LDK:14畳(約22.68平米→縦横長さ例:4.5×5m)
・寝室:8畳
・居室:8畳
おおよその部屋の広さは、イメージできましたでしょうか。
現在の住まいに照らし合わせて、広さの感覚をつかんでみてください。
70平米の間取りは2〜3LDKのファミリー向けが多い
先ほどお伝えしたとおり、70平米のマンションと言っても、物件によって間取りは異なります。
3LDKが多い傾向ですが、LDK・各居室はややコンパクトになります。
次いで、2LDKが多く、広々としたLDKで収納スペースをしっかり確保した間取りです。
リビングに隣接している部屋を一部屋にして、元々3LDKで設定している間取りを2LDKとして使うケースもあります。
4~5LDKとして使うと一部屋が狭くなるため、このような物件はあまり見られません。
これらの条件から、3~4人で暮らすファミリー向けの物件として分譲・賃貸されていることが多いようです。
近年、DINKs(ディンクス)と呼ばれる夫婦二人暮らし世帯も増えていますが、二人暮らしでは広すぎると感じるかもしれません。
しかし、仕事部屋や趣味のための自由な空間を使える広さがあるため、二人暮らし用のマンションとしてもしっかり活用できます。
70平米の間取りがおすすめの人とは?
70平米のマンションは、間取りによってどのような使い方ができるか変わってきます。
ここでは、70平米に多い「3LDK」「2LDK」の間取りを、どのように使うとよいか解説します。
家族構成やライフスタイルに合っているか、検討してみてください。
3LDKなら2~4人家族におすすめ
3LDKは、リビングダイニングのほかに、3つの居室がある間取りです。
3LDK 二人暮らし
寝室のほかに、夫婦それぞれの個室が用意できます。
コロナ禍を経て出社傾向ではあるものの、在宅勤務を継続している方はまだまだたくさんいます。
また、自宅でフリーランスとして働いている方も増えていますが、仕事用の部屋があれば、集中して仕事に取り組めるでしょう。
一部屋を仕事部屋にしても、もう一部屋空いているため、書斎・趣味部屋・収納部屋・ゲストルームとして使用するなど、自由に使えます。
3LDK 三人暮らし
夫婦二人の寝室のほかに、子ども(あるいは親・兄弟等の同居人)の個室と自由な用途で使える一部屋があります。
二人暮らしのときと同様に、仕事や趣味のための部屋としてもよいですし、収納スペースとしての利用も可能です。
季節用品や防災用品などをストックする部屋としてもよいでしょう。
3LDK 四人暮らし
寝室のほか、子ども(または同居人)にそれぞれの個室を用意できます。
ライフステージの変化に合わせて、使い道を変えていくことも可能です。
例えば、子どもが小さいあいだは遊び部屋・学習部屋として一部屋を使い、もう一部屋を家族全員の寝室としてみてもよいでしょう。
リビングに隣接していて一続きになる間取りの場合、間仕切りが壁ではなくフルオープンできるスライディングドアになっているケースがあります。
子どもの個室として利用する際、ある程度の年齢になると子ども自身がプライバシー面を気にするかもしれません。
その場合、子どもが独立するまでは夫婦の寝室として利用するといった工夫も必要です。
2LDKなら2~3人家族におすすめ
2LDKは、リビングダイニングのほかに居室がもう二部屋ある間取りです。
2LDK 二人暮らし
二人暮らしの場合、居室は寝室と自由に使える空間として利用可能です。
3LDKのときと同様に、仕事や趣味などさまざまな活用ができるでしょう。
友人や親族の宿泊を伴う来訪が多ければ、ゲストルームを作ってみてはいかがでしょうか。
あるいは、ソファベッドを置いておけば、普段は書斎や趣味の部屋として使い、来訪者があるときにはゲストルームに転用することも可能です。
大きなミラーを設置して、ヨガやピラティス・筋トレなどワークアウト用の部屋としてもよいかもしれません。
マシンを置く場合は、重量や階下への騒音問題が起こる可能性があるため、事前に管理会社に確認するようにしてみてください。
2LDK 三人暮らし
三人暮らしであれば、寝室と子ども(または同居人)の個室をしっかり用意できます。
しかし、3LDKの四人暮らしと同じように、フリーで使える部屋がないため、収納が不足する可能性が考えられます。
収納家具を増やすことを踏まえて、家具の選定やレイアウトを検討してみてください。
圧迫感を減らすためには、背の高い収納家具は壁側に寄せるとよいでしょう。
また、収納付きのベッドやソファを利用するとよいかもしれません。
取り出しにくさを感じる可能性があるため、日常的な出し入れの必要がない物の収納スペースとして使ってみてください。
70平米のマンションで意識しておきたいインテリアコーディネートのポイント
70平米のマンションの広さは、家族構成やライフスタイルにフィットしているでしょうか。
間取りや家族構成によっては、少し狭いと感じる方もいるでしょう。
例えば、3LDKの4人暮らしの場合、リビングダイニングは約11畳、寝室約8畳・各居室はそれぞれ約6畳となります。
東京都中心部において、10〜12畳のリビングダイニングは一般的です。
しかし、11畳のリビングダイニングでは、4人が同時に座れるソファとダイニングセットを置くと窮屈に感じられるかもしれません。
もし、70平米のマンションで開放感のある生活をするとしたら、どのような点を意識してインテリアコーディネートをするとよいか6つのポイントに絞って紹介します。
動線を意識した家具レイアウトを行う
家具を選定する際、部屋内に置けるかどうかだけでなく、無理なく移動できるかも考えましょう。
大人がまっすぐ歩く際に必要な幅は、約60cmです。
ダイニングテーブルとソファの間に十分な広さが確保されているか、キッチンからダイニングへの移動時に邪魔になる物はないかなど、生活しやすい動線を意識した家具のサイズ・レイアウトを考えてみてください。
また、子どもの成長やライフステージの変化に合わせてフレキシブルに対応することも重要です。
子どもが小さいうちは、リビングで遊びや学習をするかもしれません。
必要な家具も変わるため、中長期的な視点で家具を選びましょう。
カラーコーディネートで広々とした印象にする
インテリアのイメージを大きく左右させる要素に、カラーコーディネートがあります。
好みのインテリアスタイルに合わせた色の選択や、インテリアにおけるカラーコーディネートの黄金比率を意識すると雰囲気を高められます。
色数を増やすと煩雑な印象を生みやすいため、部屋全体で3~4色に絞るとよいでしょう。
なお、黄金比率とは以下のとおりです。
◾️ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=7:2.5:0.5
【ベースカラー】床・壁・天井など
【メインカラー】家具・カーテン・ラグなど
【アクセントカラー】小物
また、明るい色は広く見えやすく、暗い色は圧迫感が生まれて狭く感じやすい傾向です。
部屋を広々と見せたい場合は、明るい色を意識して使ってみてください。
背の低い家具で抜け感を出す
空間を広く見せるために、抜け感を意識してみてください。
例えば、ボリュームのあるソファがリビングにあると圧迫感があります。
背もたれが低い物を選ぶと、視線の抜けができるので広々とした印象にできます。
また、背が高い収納家具も迫りくる印象があるかもしれません。
天井近くまである高さではなく、腰高程度の低い収納家具にするだけで圧迫感を軽減できるでしょう。
あるいはオープン棚収納も、抜け感を演出できるアイテムです。
収納物が目に入るため、ごちゃごちゃした印象にならないように、すべての棚に物を詰め込むのではなく、余白スペースを作ってみてください。
不足している収納を家具でカバーする
居住人数が多くなると、収納スペースが足りない可能性があります。
しかし、生活に必要な家具(ソファやダイニングセットなど)を設置すると、十分な収納家具を追加できないかもしれません。
そのような場合は、収納量の多いテレビボードや収納付きの家具を使ってみてください。
また、不要な物を持たないようにすることも重要です。
定期的に使っていない物や不要な物を整理して、物を減らすようにしましょう。
子どもが巣立ったあとの部屋の利用方法を考える
2LDK・3LDKともに、子どもが独立したあとには部屋が余る可能性があります。
二人暮らしでもゆとりを持って生活できますが、これまで使っていなかった部屋を持て余すかもしれません。
リタイア・セミリタイアのタイミングで、これまでになかった趣味を始める方もいるのではないでしょうか。
空いた子どもの個室は、ゲストルームや書斎などへの転用を検討してみてください。
子どもの独立のタイミングにリフォーム・リノベーションを行ってもよいでしょう。
共用廊下側の部屋の明るさを確保する
70平米の2LDK・3LDKのマンションの場合、LDKが光の差し込む場所にありそれ以外の部屋は、共用廊下側に配置される間取りが多い傾向です。
自然光が入りにくく、暗く感じる可能性があります。
子どもが休日日中に学習したり、仕事部屋として使用したりする場合は、光のコントロールを考えたカーテン計画や、部屋全体を明るくする照明を取り入れる工夫も必要です。
夜はリラックスして過ごすために、電球の色や光の量を変えられるタイプの照明器具を使ったり、スタンドライトを併用したりしてみてください。
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例えば、こちらの画像にある3LDKマンションのコーディネートもその一つです。
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キッチンの収納扉や出入口の扉など、建物に付帯しているカラーとのバランスを考えたコーディネートです。
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文・松田 ともみ(インテリアコーディネーター)