2LDKの縦長リビングを快適な空間に!レイアウトのコツや家具選びのポイントを解説
都市部のマンションでは、縦長リビングダイニングが多い傾向です。
「縦長リビングは、部屋の奥まで日ざしが届かないし家具の配置も難しそう……。」というマイナスイメージをもつ方も多いかもしれません。
しかし、家具の選び方・レイアウトやインテリアのポイントを押さえれば、むしろ使いやすく、魅力のある上質な空間となります。
そこで今回は、2LDK縦長リビングの家具レイアウトと家具選びのポイントをご紹介します。
さらには自分でできる簡単な家具のレイアウトシミュレーションについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
縦長リビングとは
縦長リビングとは、バルコニー側から見ると、リビング・ダイニング・キッチンを縦に配置するプランです。
正確に表記すると「縦長リビングダイニングキッチン」となりますが、本稿では便宜上縦長リビングと称します。
一般的な2LDK縦長リビングでは、リビングの横に個室を配置するので、1室は日当たりのよい個室を確保できます。
かわりに、ダイニングスペースは日当たりが期待できない場合もあるので注意が必要です。
それに対して、横長リビングはバルコニーのある窓側に沿ってリビングとダイニングを配置するため、日当たりがよくなります。
そのかわりに、個室は2室とも日当たりを期待できない可能性が高い傾向です。
出典:https://allabout.co.jp/gm/gc/372208/
2LDK縦長リビングのメリット
縦長リビングのメリットは以下のとおりです。
短辺が3m以上あれば、コンパクトな部屋でも納まりよく家具をレイアウトできる
家具をレイアウトするときには、家具のサイズに、家具を使う人間の動線や動作空間を加算してレイアウトを考えます。
リビングで使う家具のなかで最もスペースをとるソファは、3人掛けで幅2,000mm、そこに人間の作業動線を加えてもリビングルームの有効寸法が3mあれば、配置可能です。
また、縦長リビングは短辺(窓側)と長辺(玄関側)とのバランスが重要です。あまり細長すぎると日当たりのよくない部分が増えるので気をつけましょう。
壁面が多いので、家具のレイアウトがしやすい
縦長リビングは、横長リビングに比べると壁面が多いため、ソファ・サイドボード・パーソナルチェアやコンソールなどの家具を効率よく壁に付けてレイアウトできます。
アートピースを飾るなど、壁面を活用したインテリアを楽しめる
壁面が多いので、家具だけでなく絵画や写真、タペストリーなどを飾ることができます。
隣接する個室との間仕切り方によっては、さまざまな使い方を模索できる
縦長リビングの使い勝手は、隣接する個室との仕切り方で大きく変わります。具体的には、以下のとおりです。
- 1.間仕切り壁で仕切り、開き扉を付ける
- 2.隣室を和室にして戸ぶすまで仕切る
- 3.天井までの可動間仕切り壁で仕切る
独立した個室が必要な場合は、1番目がおすすめです。
必要に応じて、仕事の時間は間仕切りを使用し、ホームパーティーなど友人知人をたくさん招く場合は、3番目の可動間仕切り壁があれば、メリハリのある家具レイアウトを楽しめます。
2LDK縦長リビングのデメリット
縦長リビングには次のようなデメリットもあります。
窓から距離があるキッチンやダイニングは、日当たりが期待できない
窓から距離のあるダイニングやキッチンはどうしても日当たりが悪くなります。
縦長リビングで、日当たりのよい場所で食事をしたい場合は、ソファとダイニングを兼用するダイニングソファを窓辺の近くに配置するのも1案です。
キッチンとダイニングソファが離れすぎると、今度は料理を運ぶ動線が長くなるので、日当たりと配膳の利便性を考えながら、配置を検討する必要があります。
短辺が3m以下の縦長リビングは、大型ソファやダイニングセットが配置しづらい
大型サイズのソファやダイニングテーブルは、幅が2m前後あるため、長辺の壁沿いにしか配置できない場合があります。
人間の動線を考えて、小さめサイズの家具をレイアウトしましょう。今後広い家に転居する場合は、以下の選択肢も検討するとよいでしょう。
- ・パーソナルチェアを使う
- ・家具のリースシステムを利用する
- ・ラグを購入して床座暮らしをしながら、気に入ったソファを探す
家具は一生ものですから、中途半端なものを間に合わせで購入するのは、賢明な考え方とはいえないでしょう。
【タイプ別】縦長リビングの特色を解説
縦長リビングは短辺長さと、床面積により、次の3タイプに分けられます。
- ・短辺3m以下、床面積20平米未満のコンパクトタイプ
- ・短辺3〜4.5m以下、床面積20〜30平米未満のスタンダードタイプ
- ・短辺4.5m以上、床面積33平米以上のエクステンシブタイプ
一つずつ特徴を確認していきましょう。
コンパクトタイプ (短辺3m以下、床面積20平米未満)
上の図、一番左側になります。
コンパクトタイプの縦長リビングでは、キッチン設備・ダイニングセット・ソファ類が壁付けレイアウトになります。
キッチン・ダイニング周辺が暗くなりやすいので、照明計画も大切です。
|コンパクトタイプにおける縦長リビングの家具選びのポイント
コンパクトにおける縦長リビングの家具選びのポイントは、次のとおりです。
- ・ソファは幅1,800mm、高さ800mm以内のロータイプを選ぶ
- ・ダイニングセットは壁付けできるW1,500mmまでを目安に選ぶ
- ・テレビ台・ローボードはソファの座面高さから考える
- ・ソファとテレビは130cm離す
コンパクトタイプの縦長リビングですので、ソファやダイニングセットのサイズ感を慎重に選びたいところです。
スタンダードタイプ(短辺3〜4.5m以下、床面積20〜30平米未満)
標準的な広さの縦長リビング。
間口2,000mm以上のソファも、壁沿いに配置するレイアウトであれば設置可能です。
また、大きなダイニングテーブルを中心にレイアウトして、リビングにはパーソナルチェアを2脚用意するなどの配置も可能です。
|スタンダードタイプにおける縦長リビングの家具選びのポイント
カウチタイプのコーナーソファなどのように、幅が3mを超えるボリュームのあるソファも設置できます。
注意したいのは、家具の高さです。
通常マンションの天井高は2.4m前後ですが、部分的に天井高の低い場所があります。家具選びをする際は、幅だけでなく高さにも気をつけて選んでみてください。
エクステンシブタイプ(短辺4.5m以上、床面積33平米以上)
短辺で4.5m以上確保できる場合は、幅3m超の大型輸入家具も、ゆとりをもって配置できます。
エクステンシブタイプの縦長リビングには以下MAYSのコーディネートプランのように、角住戸や最上階のペントハウスなど、二方向以上に窓が配置されているプランもあります。
眺望を楽しめる位置にソファやダイニングテーブルをレイアウトしたり、読書コーナーのようなパーソナルコーナーを設けたりとさまざまな工夫が可能です。
ちなみに、以下の2LDK縦長リビングでは、個室の一つをウォークインクローゼットとして活用しています。
|エクステンシブタイプにおける縦長リビングの家具選びのポイント
上の図は、MAYSのコーディネートプランの一つ(ラグジュアリープラン)ですが、エクステンシブタイプであれば、世界のハイブランド家具をゆったりと配置できます。
ラグやフロアランプなどの照明を効果的に取り入れて、統一感のあるインテリアにまとめてみましょう。
上記プランでは、イタリアンモダンを代表する以下の家具を取り入れているのが特徴です。
- ・リビングにはMaxalto(マクサルト)社の優美なカウチタイプのコーナーソファ
- ・ダイニングにはCassina(カッシーナ)社のダイニングテーブル
- ・主寝室のベッドとナイトテーブルにはMinotti(ミノッティ)社
- ・ウォークインクローゼットとして使うスペアルームにはフレキシブルに構成できるMolteni&C(モルテーニ)社のシステム収納
これからの2LDK縦長リビングは、可動式間仕切り壁でフレキシブルなプランが主流に
出典:https://geo.8984.jp/mansion/tokyo/plat/lifestyle/6621/
ここ数年、可動式の間仕切り壁を取り入れた、新築の2LDK縦長リビングが人気を集めています。
リビングダイニングに隣接する個室との間仕切り壁を、広々としたリビングルームとして使ったり、閉じて独立した個室として使ったり、フレキシブルに活用できます。
可動式間仕切り壁のある縦長リビングの家具選びでは、可動壁をオープンにしたときに、双方向で座れるeilersen(アイラーセン)社のPLAYGROUND(プレイグラウンド)のような家具を選びましょう。
出典:https://kichijoji.actus-interior.com/?tag=playground
2LDK縦長リビングの家具選び・レイアウトの5つのルール
すっきりと快適な2LDK縦長リビングを実現するための家具の選び方・レイアウトの5つのルールをご紹介します。
LDK空間に対して、大きすぎる家具を選ばない
家具選びの失敗で多いのが、家具のサイズが大きすぎて、部屋が窮屈に感じることです。
家具を使うときの動線や動作空間を十分に確保できるように、家具は必ず実物を見て、サイズ感を確認してから購入しましょう。
コンパクトタイプの縦長LDKでは、ソファは長辺方向の壁沿いに配置するのが基本
出典:https://www.cassina-ixc.jp/shop/g/gproject2130-1/
コンパクトタイプやスタンダードタイプの縦長2LDKで、すっきりとしたライフスタイルを実現するには、ソファやダイニングテーブルを壁に沿って配置するとよいでしょう。
上の画像は、床・壁・天井から家具にいたるまで、ホワイト・アイボリー・グレージュを中心として上品なワントーンコーディネートでまとめているのが特徴です。
ローソファ・ローボードで視点を低くする
上の画像は、弊社のコーディネート事例でホワイトベースの床・壁・天井に、RC打ちっ放しの壁面がスタイリッシュな印象の縦長LDKです。
ダークブラウンのローソファ・ラグ・ローボードで視点を低くして落ち着いた空間に仕上げています。
ダークな色調のインテリアアイテムを下のほうにまとめて、マニッシュで印象的な縦長LDKにコーディネートしているのが特徴です。
縦長リビングの形状をうまく活用するためには、ローボード・ローチェア・床座暮らしなど、視点を低くすることもポイントになります。
床と壁には余白を確保する
上の弊社コーディネート事例は、ヴィンテージ感のあるサイドボードをセッティングし、レコードプレーヤーや釣り道具を並べることで「隠れ家テイスト」満載に仕上げた縦長リビングです。
家具を詰め込まずに床や壁の余白を大切にすることも、縦長リビングを快適空間に演出するポイントの一つです。
ソファとダイニングセットのバランス配分を考えてレイアウトする
存在感のあるソファをレイアウトする場合は、コンパクトなダイニングセットを選んで、バランスをとりましょう。
大きめのダイニングセットを置く場合は、ソファのかわりにパーソナルチェアを配置するなど、リビングとダイニングのバランス配分を考えるのも、縦長リビングのポイントです。
自分で2LDK縦長リビングの家具レイアウトに挑戦してみよう!
縦長LDKのなかに、家具がイメージどおりに納まるかどうかをシミュレーションするために、住まいの図面と配置したい家具の簡単な模型を作って、検討してみましょう。
家具と図面の縮尺が同じであることを確認して作業します。
万一、家具と図面の縮尺が異なる場合はコピー機を使って、拡大または縮小して、縮尺をそろえます。
LDKの間取りを書いてみる
住まいの図面が手元にあれば、縮尺を確認してコピーします。
レイアウトする家具の寸法を測ってミニチュアを作る
新築マンションのモデルルームでは、間取りを検討する資料として「家具レイアウトシート」などの名称で、標準的なサイズの家具の縮小版を配布しています。
また方眼紙などを利用して、配置する家具の寸法を調べて自分で作ることもできます。
家具のレイアウトによって、作業動線などの使い勝手も変わってくるので、気軽に挑戦してみましょう。
また、100分の1の標準的な縮尺でダウンロードできるサイトもあるので、確認してみましょう。
参考:https://www.town.onagawa.miyagi.jp/pdf/milife/onagawa_milife_04_checksheet.pdf
図面に家具の模型イラストを配置して使い勝手や動線をシミュレーションする
図面と家具のミニチュアがそろったら、実際に図面上に家具を配置します。
- ・テレビとソファの距離は130cm確保する
- ・人の通り道(動線)は、幅60cmを確保する
- ・ダイニングテーブルの後方は最低60cmを確保する
動線や作業空間を確保したら、画像をコピーしたり撮影したりしてレイアウトを検討します。
上記の画像は、家具レイアウトシートを使って筆者が制作した2LDK縦長リビングの家具レイアウト事例です。
家具レイアウト図があると、動線の確認や家具と家具の距離を確認するなど、さまざまなシミュレーションができるので、ぜひ一度挑戦してみてください。
家具レイアウトアプリを活用する
出典:https://www.sempre.jp/brand/3Dsimulator/
一部の家具メーカーでは、家具の配置を簡単にシミュレーションできる家具レイアウトアプリを提供しています。
無償提供されているものがほとんどですが、使用できる家具が限定されていたり、印刷ができないなどの機能制限やアプリを利用する際に登録が必要だったりと、制約がある場合も多いので注意しましょう。
2LDKのインテリアコーディネートならハイグレード物件の実績豊富なMAYSへ
MAYSでは、住む人にふさわしい、1ランク上のライフスタイルと上質空間を実現するインテリアの提案を手がけてまいりました。
お客様のご要望を伺い、お住まいでの生活動線や動作空間を確認した上で、家具の選定・コーディネート、家電や寝具の手配までをトータルでサポートします。
「2LDK縦長リビングにイタリアンモダンスタイルの家具がほしい」
「2拠点居住を始めたけれど、家具選びの時間が取れないので、インテリアの提案をしてほしい」
さまざまなご要望にお応えするために、MAYSでは、高級家具リースシステムやインテリアコーディネートのプレミアムサービスなど、上質なインテリアを実現するための各種サービスをご用意しております。
インテリアを見直したいと思ったら、ぜひMAYSにご相談ください。
文・藤江 薫(二級建築士・宅地建物取引士・インテリアコーディネーター)
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