カーテン選びのコツ
カーテンを選ぶ際に何を重視して選択しているでしょうか。
多くの方は、見た目の色やデザイン、を最重視されることが多いのですが、目的にあう暮らしを実現するためには、それぞれのカーテン生地が持つ機能についてもしっかり確認することも重要です。
それぞれの生地がもつ機能を取り入れて、快適な暮らしを作っていきましょう。
カーテン選びのチェックポイント
ショールームでカーテン生地を選ぶ際、生地のヘッダーに注目してみてください。生地のヘッダーには、生地の値段のほか、機能やおすすめの加工方法についての情報がついています。
以下に代表的な機能についてご紹介します。
日差し対策の機能
・遮光性
一般社団法人日本インテリアファブリックス協会(NIF)が定める遮光性能を示すマーク。遮光性能は1級、2級、3級とあり、もっとも遮光性能に優れた1級は遮光率99.99%。ほぼ光を通さない仕様です。
・UVカット
NIF基準で制定された紫外線カット性能に適合した生地にはUVカットマークが付きます。UVカットは紫外線を70%以上カットし、室内の紫外線焼けをブロックします。
・遮熱
NIF基準で制定された遮熱基準に適合した生地に付きます。日射熱を遮り、室内温度の上昇を抑制することで冷房効率があがります。省エネ効果の性能としても知られています。
プライバシー対策の機能
・透過性
薄いカーテンがひかれた窓を外から見たとき、室内のプライバシーがどの程度守られているかを透過率で示しています。一般的には目の細かい生地の方が透過性が低いと言われます。
・ミラー
光に反射しやすい糸を生地に縫い込んで、光を取り入れながら外から室内を見えにくくする機能です。テカッとした光沢の生地が特徴です。
・遮音
裏面にコーティングやラミネート加工を施し、遮音効果を高めた生地です。
室外からの騒音対策、特に高音域に効果を発揮します。音が室外に漏れることも緩和するため、ペットの鳴き声や子供の泣き声の対策にもおすすめです。
・防音
遮音カーテンの中でも、特に遮音性能に特化したカーテンのことを指します。
防音カーテンは重くすることで優れた遮音性能を発揮します。視聴覚室やシアタールームに使われています。
・吸音
遮音や防音は、音を反射させることで外部への音漏れを防ぐので、騒音対策には効果的ですが、室内で大きな音を出す環境だと音が反響してしまい、反響音が気になります。
吸音仕様は音を吸収しやすい生地を使うことで反響や残響を抑制するので、音楽スタジオやオーディオルームなどの、より良い音環境が求められる空間に使われます。
花粉・ウイルス・ハウスダスト対策の機能
・花粉キャッチ
特殊繊維を使ってカーテン自体をフィルターにして外部からの花粉やほこりをキャッチする機能です。
・抗ウイルス加工
一般社団法人繊維評価技術協議会(JTETC)の基準に適合したことを示すマークです。カーテンに付着した特定のウイルスの数を減少させる加工を施しています。
・制菌加工
JTETCの基準に適合しており、カーテン生地に付着した細菌の繁殖の抑制に効果がある加工を施しています。
・防カビ加工
JTETCの基準に適合したことを示すマークで、カーテンに付着した特定のカビの発育を抑制します。
・防カビ
カビの繁殖を抑制する加工を施しており、防カビ効果が期待できる機能を持つ生地です。
防汚対策の機能
・撥水
NIF基準で制定されたはっ水性能の基準に適合した生地です。水回り空間や汚れやすい空間におすすめの生地です。
・制電
NIF基準で制定された制電性能の基準に適合した生地です。静電気の発生を低減して、ほこりの付着を抑えます。
・防汚性
ほこりや汚れがつきにくく、洗濯などで汚れが落ちやすい加工が施された生地です。
・ウォッシャブル
家庭用洗濯機で洗濯ネット使用で洗濯ができることを示すマークです。
消臭対策の機能
・消臭II
生活の中で発生する臭いや排泄臭、汗臭等に含まれる成分を光触媒の力で低減します。
・消臭III
化学吸着消臭に光触媒消臭機能をプラスした加工です。化学吸着の即効性と、光触媒の持続性を併せ持ちます。
安全対策の機能
・防炎
消防法に基づく、防炎性能試験に適合したことを示すマークです。火災の際に燃えにくくするために薬剤を塗布し、燃えにくい加工を施しています。
11階建以上の高層マンションやビル、公共施設、飲食店やホテル、百貨店など不特定多数の人が出入りする場のカーテンは、防炎加工が義務付けられています。
環境対策の機能
エコマーク
(公財)日本環境協会エコマーク事務局による認定基準に適合した生地にマークがついています。再生ポリエステル糸を50%以上使用し、環境保全型商品として認定されています。
グリーン購入法適応商品
グリーン購入法(国などによる環境物品等の調達の推進等に関する法律)に適応する商品です。
コーディネートのアイデア例
機能面から見た、おすすめのカーテンコーディネートをご紹介します。
・マンションの高層階の住宅
マンションの高層階は、上記の通り防炎加工を施したカーテンが義務付けられています。
また周囲に直射日光を遮る建物が非常に少なく、夏場は室内に熱がこもりがちです。
こうしたことから、厚地(ドレープ)生地は防炎加工されている生地で遮光性が高いもの、薄地(レース)生地はUVカット、遮熱といった機能を持つ生地を選ぶことをお勧めします。
オーダーカーテンでは、防炎加工を後から追加できる商品もあります。
・住宅地の戸建てやマンションの低層階の住宅
近隣の住宅や道路からも近く、また近隣の住宅のアイレベル同士が同レベルであることが多いため、知らずに室内の人の様子が外に見えてしまっていることがあります。
防犯対策のためにも、しっかりしたプライバシー対策が必要です。
日中に使用するレースカーテンは、透けにくいミラー仕様や避像効果が高い目が細かい生地を使いましょう。
・花粉症の方や小さなお子さんがいる住宅
花粉症の方や小さなお子さんがいるご家庭は、花粉の室内への侵入やハウスダスト対策の仕様の生地を選ぶことをお勧めカーテン室内で快適に安全に過ごせるよう、花粉キャッチのレースカーテンや汚れ防止の機能を持つカーテンを検討しましょう。
またウォッシャブル機能でこまめに洗える仕様のカーテンを選ぶこともお勧めします。
・ペットや高齢者がいる住宅
室内でペットを飼われていていたり、自宅介護をされているご家庭の場合、室内に滞在する時間が長くなるため、排泄などの臭いが気になるという方も多いです。
この場合は消臭効果のあるカーテンや、制菌、防カビ機能のあるカーテン生地を選ぶことをお勧めします。もちろんウォッシャブル機能でこまめに洗えると衛生面にも良いですね。
また、ペットの鳴き声が気になる場合には、遮音効果のカーテンを取り入れてみましょう。