なぜ経営者はリゾート地に集まるのか
リモートで会社以外の場所から多くの仕事を行えるようになった現在、東京に縛られない暮らしに注目が集まっています。起業家がリゾート地などに支社とは別にサテライトオフィスを設けたり、自宅も都心ではなく郊外の自然あふれる土地に構えたりと、自由な働き方、生き方を選ぶ人が出てきているようです。
このように、利便性の高い東京ではなく、郊外のリゾート地が選ばれている理由はどこにあるのでしょうか。なぜ経営者がリゾート地を選ぶのか考察します。
あえて通勤に時間のかかる郊外リゾートを選択する理由
優秀な経営者はオフィスの近くに自宅を構え、通勤時間を短縮させるという話もあります。そのような中で、あえて自宅を郊外のリゾート地に持ち、数時間かけて通勤することを選んだ経営者もいます。
株式会社ユーザベース代表の梅田優祐氏は、神奈川の葉山に住み、東京のオフィスまで約2時間かけて通勤しているといいます。郊外で暮らすことによるメリットは多々あるようです。
第一に、プライベートな時間が充実するということがあります。オフィスと自宅が近いと、すぐに職場に向かえるというメリットがある一方で、オンとオフの切り替えが難しいというデメリットがあります。自宅が郊外リゾートにあることで、仕事とプライベートを完全に切り離し、家族との時間や自分の趣味に時間を当てることができるようになります。
デメリットに思われがちな通勤時間の長さも、その時間をインプットの時間に充てることで実りのある時間に変えることができるでしょう。仕事もプライベートも、すべて自分の人生です。人生100年時代、長い人生を楽しく生きるために、このようなライフスタイルを取り入れる人がこれからも増えていくかもしれません。
リゾート地でイノベーションが生まれる
近年、地方のリゾート地にサテライトオフィスを構え、リゾート地での暮らしを楽しみながら仕事に従事できる企業も増えてきました。高速ネットインフラさえあれば、本拠地とビデオチャットなどでつながることができるため、国内外を問わずどこにいても働ける環境が増えてきています。
IT関連の開発、デザイン、コンテンツ制作などを手掛ける企業は、このようなリモートワークと相性がよく、徳島の神山町や和歌山の白浜地区、砂丘で有名な鳥取などはサテライトオフィスの誘致に積極的です。
都心ではなくゆったりとした地方のリゾート地で働くことで、モチベーションや生産性の向上が期待できます。仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた、ワーケーションという働き方にも注目してみましょう。ビジネスにイノベーションを起こしたい企業は、経営者自身のみならず、社員とともにリゾート地で働くことを検討してみるのもいいかもしれません。
インスピレーションを与えてくれる空間とは
前述したユーザベース代表の梅田氏は、時間がある時には自宅近くで趣味のサーフィンを楽しんでいるといいます。
趣味は時として、インスピレーションを与えてくれます。趣味を複数持つことで、仕事だけでは得られない新たな発想が生まれることがあります。
郊外のリゾート地に自宅を持つのであれば、趣味とプライベートを最大限楽しめる空間を作ることを考えてみましょう。ドライブが趣味なら、広い土地にガレージ付きの自宅を建てたり、釣りが趣味という人は、海辺に小屋のような家を建てたりしてもいいでしょう。
山中にスモールハウスを建て、自分にとって必要最低限のものに囲まれたミニマルな生活を送りながらアウトドアも楽しむ。そういう暮らしも思考の柔軟性を高め、発想の転換やひらめきをもたらしてくれそうです。
このように自分、あるいは家族も一緒に楽しめる暮らしを追求すると、ビジネスに好影響を与えてくれるかもしれません。常に新たなアイデアを求め、事業の拡大を目指している経営者は、事業が軌道に乗った段階でプライベートを過ごす空間にも目を向けてみましょう。
仕事とプライベートを切り分けた生活もアリ
経営者の中には、仕事とプライベートを融合することによって新たなインスピレーションを得るという人もいます。しかし経営者も千差万別。人によっては、プライベートを充実させることが仕事へのモチベーションにつながることもあります。どちらの生活が心地よいのか、それぞれ一定期間試してみて、自分に合ったオンとオフのバランスをつかんでいきましょう。