北欧インテリアは「椅子」で決まる!プロが選ぶ名作アイテム教えます
北欧インテリアといえば、北欧デザインの椅子を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。
北欧は、美しいデザインの椅子が数多く生み出されてきたことで有名です。
有名な北欧の椅子をインテリアに取り入れてみたいという人もいるかと思いますが、たくさんある椅子のなかから、自分に合った椅子を探しだすのは至難の業。
この記事では、家具コーディネートを専門とするMAYSが選ぶ、北欧インテリアにおすすめの椅子をご紹介します。
北欧インテリアを作り上げるアイテム選びの参考にしてみてください。
目次
北欧インテリアにおける椅子とは
出典:https://www.carlhansen.com/ja-jp
北欧には、数多くの美しい椅子を生み出してきた歴史があります。
1920年代、モダニズム建築の先駆者であるドイツの建築学校「バウハウス」の思想に影響を受け、デンマークでは無駄をそぎ落とした家具デザインが生み出されるようになりました。
1940年代から1960年代に繁栄したこの動きは「デニッシュモダン」と呼ばれ、数多くのデザイナー達が、機能的で美しいデザインの家具を次々と生み出しました。
当時生み出された椅子は、それまでにはないような洗練されたデザインによって、世界中から注目を集め、現代に至るまで多くの支持を得ています。
有名なデザインの椅子は、ニューヨーク近代美術館をはじめとする世界中の美術館に収蔵され、パーマネントコレクションとして保管されているものもあります。
著名なデザイナー
北欧では、家具の巨匠と呼ばれるような優秀なデザイナーが数多く活躍してきました。
そのなかでも、世界的に有名なデザイナー達をご紹介します。
ハンス・J・ウェグナー
「椅子の巨匠」として知られるデンマークのデザイナー。
500脚以上もの椅子をデザインし、その多くが数々の美術館にコレクションされています。
家具職人からスタートしたウェグナーは、優れたクラフトマンシップを持ち、機能性と美しさを追求した椅子を数々と生み出しました。
デンマークの近代デザインに大きな影響を与えた代表的な存在で、その名は現在でも世界中で知られています。
フィン・ユール
デンマークの家具デザイナーであるフィン・ユールは、ウェグナーと同様に、デンマークの近代デザインに大きな影響を与えた人物です。
機能性よりも、デザインを重視した人物で、彫刻のような美しい家具を生み出してきました。
「Easy Chair No.45(イージーチェア)」や「ペリカンチェア」などの代表作がありますが、どちらも美しい曲線で表現されており、特に「イージーチェア」は「世界で最も美しいアームを持つ椅子」として知られています。
ボーエ・モーエンセン
ハンス・J・ウェグナーと友人関係にあったボーエ・モーエンセン。
ウェグナーと同様に、デンマークの近代デザインに影響を与えた人物です。
シンプルかつ実用的で質の高い家具を、一般庶民でも手が届く価格で提供することを信念としていました。
大衆視点のデザインで知られ、控えめながらも美しく、機能的な作品を数多く残しています。
アルネ・ヤコブセン
デンマークの建築家であるアルネ・ヤコブセンは、その大胆で独特なデザインから、世界中で知られる存在です。
ヤコブセンの優れた才能は、建築デザインだけにとどまらず、照明や家具、カトラリーなど、空間を構成する要素を総合的にデザインしてきました。
幅広いジャンルで優れたデザインを残し、現代においても多くの人を魅了しています。
アルヴァ・アアルト
20世紀を代表する世界的な建築家として知られるアルヴァ・アアルト。
フィンランドで生まれ、以降200以上もの建築をデザインし、そのどれもが名作として知られています。
「建築は家具と補完しあうもの」という信念から、自身が設計した建物に合わせて家具のデザインも手掛けてきました。
また、建築デザインにとどまらず、食器や絵画といった他分野での活躍でも知られています。
イプ・コフォード・ラーセン
代表作「エリザベスチェア」で知られるイプ・コフォード・ラーセン。
エリザベス女王とフィリップ王子が彼の椅子を購入したことから、世界中に名を知られる人物となりました。
彫刻的な美しさを持つ家具をデザインし、ウェグナーやヤコブセンと同様、デンマークの近代デザインに大きな影響を与えた人物です。
セシリエ・マンツ
北欧を代表する女性の若手デザイナー。
家具デザインにとどまらず、照明やテキスタイル、食器やオーディオ製品とジャンルにとらわれないデザインを展開しています。
柔軟なアイデアから生み出されるデザインは、洗練された美しさを持ち、世界中から注目を集めている人物です。
北欧インテリアに合わせた椅子の選び方
ここからは、北欧インテリアに合わせた椅子の選び方についてお話します。
テイストをはっきりさせる
北欧インテリアといっても、コーディネート方法は一つだけではありません。
北欧インテリアのなかにも雰囲気の異なるコーディネートが存在し、どのテイストを目指すのかによって選ぶべきアイテムが異なります。
代表的なテイストに以下のものがあります。
- 明るくポップな北欧インテリア
- 白を基調としたシンプルな北欧インテリア
- モノトーンで作る北欧モダン
- 北欧ビンテージ
北欧インテリアに共通するのが、木製の家具を取り入れるというものですが、テイストによって、素材や張り地の色味、形状の雰囲気を合わせてあげましょう。
明るいテイストがお好きな方は、カラフルな張り地を使用したデザインがおすすめ。
ウッドフレームの椅子ももちろん雰囲気にマッチしますので、その場合はカラフルな小物などを取り入れて、お部屋に色味をプラスしましょう。
シンプルな北欧インテリアがお好きな方は、オークやビーチといった明るい色味のウッドを使用した椅子がおすすめ。
のちほど詳しく解説しますが、ソープフィニッシュという仕上げ方法の椅子は石鹸の白さが残る仕上がりで、シンプルな北欧インテリアの空間におすすめです。
モダンテイストがお好きな方は、ウッドだけでなく、アイアンやレザーを取り入れたデザインの椅子を使用すると、空間にアクセントをプラスすることができます。
北欧ビンテージに憧れる方は、椅子に使われている木材をチーク材、ウォルナット材、マホガニー材などの、色味の濃い素材で選ぶのがおすすめです。
あたたかみのある北欧ビンテージを演出してくれますよ。
サイズ
椅子を選ぶ際にはサイズも重要です。
海外製の椅子は、日本製の椅子よりも座面が高めに設定されていることがあります。
テーブルと椅子の高さが合っていないと、テーブルが使いにくくおすすめできません。
テーブルの天板と椅子の座面の高さの差を「差尺(さじゃく)」といいます。
体格差によって前後はしますが、最適な差尺寸法は28〜32cmが目安です。
なお、具体的に自分に適した差尺を求めたいという方は、座高を3で割り、そこから1〜2cmマイナスするとよいでしょう。
座高は「身長×0.55」で簡単に求められます。
例えば、身長が170cmの場合「170×0.55=93.5」が座高となり、これを3で割ると「約31cm」、そこから1〜2cm差し引くと「29〜30cm」が適した差尺となります。
すでにテーブルのサイズが決まっている場合は、テーブルの高さに合わせた座面高を選ぶようにしましょう。
木製の椅子は、脚のカット加工ができるものもあります。
気に入った椅子の座面が高すぎる場合は、脚をカットすることで高さを合わせられる可能性もありますので、一度家具屋さんに確認するようにしましょう。
また、椅子に座った際に、足が床につくかどうかも重要なポイント。かかとが自然と床につく程度の座面高がおすすめです。
素材
椅子に使われる素材も、空間の雰囲気を作り上げるのに重要な役割を果たします。
ウッド
北欧インテリアを作り上げるポイントは、自然素材を取り入れることです。
お部屋に木製のチェアを取り入れれば、ナチュラルな印象をプラスすることができます。
木材の樹種(じゅしゅ)によって、異なる木目や木肌の色を持つため、椅子に選ぶ木材の雰囲気がガラリと異なる点も木製椅子の魅力です。
椅子の樹種は、フローリングや建具、テーブルなどとそろえるコーディネートが王道です。
空間にまとまりがでて、統一感のある空間に仕上げることができます。また、木材の仕上げ方によっても椅子の雰囲気がガラリと変わります。
樹種と仕上げ方を組み合わせて、自分が好きなテイストの椅子を探すのも楽しいですね。
ファブリック
チェアの張り地に使用する素材として「ファブリック」が挙げられます。
あたたかさや優しさを演出するのに適した素材で、ほっこりとした雰囲気の北欧インテリアにおすすめのアイテムです。
ファブリックの魅力としては、さまざまなカラーバリエーションがあり、繊維の素材や織り方によって、多様な表情を楽しめる点です。
シンプルな北欧インテリアであれば、アイボリーや淡いグレーの張り地がおすすめ。
ポップで明るい雰囲気を持たせたいのであれば、カラフルなファブリックをコーディネートしましょう。
レザー
椅子の張り地として「レザー」を使用したデザインの椅子もあります。
特に、北欧モダンにおすすめしたい素材で、洗練された大人の雰囲気を演出してくれるアイテムです。
レザーはメンテナンスが必要な素材です。
定期的に保湿をしてあげる必要があるのですが、使い込むほどにレザーの味がでて、新品の頃よりも深みが増すという、レザーならではの魅力もあります。
メンテナンスに手間をかけたくないという人は、人工皮革という選択肢も。
レザーの風合いをそのままに、メンテナンスフリーで使える点が嬉しい魅力ですね。
メンテナンス方法
北欧インテリアには木製の椅子がおすすめだとお話ししました。
木製の椅子は、木部の仕上げ方によってメンテナンス方法も変わるため、購入前に仕上げ方とメンテナンス方法を確認するようにしましょう。
ウレタン仕上げ
木部の表面をウレタン塗装して保護する仕上げ方です。
ウレタンで木肌を覆ってしまうため、基本的にメンテナンスの必要はありません。
汚れてしまった場合は水拭きで対応することも可能です。
木の表面にウレタンのコーティングができるため、素材感が若干失われてしまうのがデメリットです。
しかし、最近ではマットな風合いに仕上げる方法も開発され、より木の質感に近い仕上げ方ができるようになってきました。
オイル仕上げ
木の表面にオイルを染み込ませ、木を保湿する仕上げ方です。
マットでしっとりとした色味に仕上がるため、ナチュラルな質感を求める人におすすめ。
手触りも木そのままの質感に仕上がるため、自然素材を大切にする北欧インテリアにおすすめの仕上げ方です。
コーティングをしているわけではないため、表面に傷がついた場合は紙やすりで削ることで、補修をすることが可能です。
メンテナンスは、半年から1年に1回の頻度で木部にオイルを塗りこみます。
ソープ仕上げ
木の表面を石鹸水で洗い、木部を保湿する仕上げ方です。
石鹸の成分が木の表面に残ることで、木の乾燥を防ぎます。
サラサラとした優しい手触りは、ソープ仕上げ独特のもの。木部は白っぽい色味に変化し、淡く優しい風合いの椅子に仕上がります。
白を基調としたシンプルな北欧インテリアにおすすめしたい仕上げ方です。
メンテナンスは、半年から1年に1回程度、木部を石鹸水で洗い流し、乾燥させる必要があります。
北欧インテリアにおすすめの椅子7選
ここまで、北欧インテリアに合わせた椅子の選び方をご説明しました。
ここからは、MAYSが選ぶ北欧インテリアにおすすめの椅子7選をご紹介します。
THE CHAIR(ザ・チェア)
ハンス・J・ウェグナーの代表作である「THE CHAIR(ザ・チェア)」。
1960年のアメリカ大統領選にて、ジョン・F・ケネディが使用した椅子として知られています。
ケネディが、その素晴らしい座り心地に感心し「The chair」と呼んだことから、「ザ・チェア」の名称で知られるようになりました。
1点1点が職人の手作業で作られるザ・チェア。
そのディテールの美しさは、北欧インテリアを格上げしてくれる最上級のアイテムといえるでしょう。
CH24
出典:https://www.carlhansen.com/ja-jp
「世界で最も売れている椅子」としても知られるYチェア。
ウェグナーがデザインしたこの椅子は、世界中から絶大な人気を集めています。
日本での人気も非常に高く、1度は目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
美しいウッドのフレームと、ペーパーコードの組み合わせが、北欧インテリアにマッチし、優しく洗練された空間を演出してくれます。
J39
出典:https://www.fredericia.com/
「庶民向けの高品質なデザインを安価な価格で提供すること」を信念としたボーエ・モーエンセンによってデザインされました。
5年の歳月をかけてデザインされたこの椅子は、快適な座り心地を実現し、多くの市民から愛されています。
シンプルながらあたたかみのある佇まいは、北欧インテリアにピッタリ。北欧好きにぜひおすすめしたいアイテムです。
WORKSHOP CHAIR(ワークショップチェア)
出典:https://professionals.muuto.com/
このシンプルな椅子は、セシリエ・マンツによってデザインされました。
北欧テイストにマッチするような素朴さと、木の優しい風合いを楽しめるデザインで、日常にも溶け込むデザインです。
飲食店のダイニングやカフェなどにもおすすめのアイテムです。
エリザベスチェア
出典:https://www.kitani-g.co.jp/
イプ・コフォード・ラーセンの名を世界中に知らしめるきっかけとなった作品。
エリザベス女王とフィリップ王子が購入したことで知られています。
優美な曲線を描くアームや体をしっかりと支えてくれる座面など、その完成度の高いデザインは、アート作品のような美しさです。
エリザベス女王も選んだ最高品質のチェアは、くつろぎの空間におすすめです。
セブンチェア
出典:https://www.fritzhansen.com/ja
ヤコブセンがデザインしたシンプルな椅子。
背もたれと座面が一体になっているシンプルなデザインは、どのようなシーンにも合わせることができ、世界中で愛用されています。
カラーバリエーションも豊富にあり、カラフルなアイテムは、お部屋に置くだけでも空間にアクセントをプラスしてくれます。
線の細いシンプルなデザインのため、北欧モダンにもおすすめです。
スツール60
アルヴァ・アアルトがデザインしたスツール。
どのような空間にもマッチするシンプルなデザインは、現代においてもなお世界中で愛されています。
スツールとしてだけでなく、ディスプレイやミニテーブルとしても使用できるため、何脚かそろえておくのもおすすめ。
さまざまなカラー展開があるため、お部屋のアクセントとしてコーディネートするのも楽しいアイテムです。
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