ウッドショックの影響はいつまで続く?新時代の家づくりに必要なこととは
そろそろ家づくりを始めようと考えている方にとって、ウッドショックは不安な事ばかりではないでしょうか?価格も落ち着くはずだから・・・・・・と家づくりを始めて、「こんなはずじゃなかった!」と後悔したくないですよね。
ウッドショックの影響は住宅価格に大きく影響していますが、価格が元に戻る明確な見通しは立っていないのが現状です。
ウッドショック時代の家づくりを進めるためには、最新の正しい情報の入手と、今までの常識にとらわれない家づくりに対する考え方が必要になってきます。
この記事では、持続可能な社会の実現に向けての取り組みも加速するMAYSが、これから必要な家づくりの対策と行動をご案内します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
ウッドショックの原因は何か
ウッドショックが起こった原因について解説します。 日本の住宅建築に使用する木材の約7割は輸入に頼っているため、大きな影響を及ぼしています。
アメリカの住宅需要増加
アメリカでは新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークを行う人が増え、自宅にこもるようになりました。
自宅で過ごす時間が増えると、新しい住宅を建てたい欲求や、リフォームをしてより快適に過ごしたいという欲求が高まります。
その動きを加速するように、アメリカ政府は膨大な財政を投じ、低金利政策を行った結果、住宅建築の需要はさらに増加し、木材の需要も高まりました。
また、コロナで製材所に従事する方が休業したり、虫害や山火事があったりと、もともと木材が不足してたところに、さらに追い打ちをかける形となったのです。
木材の需要と供給のバランスが崩れ、価格が高騰しました。
巣ごもり需要による輸送用コンテナ不足
新型コロナウイルス感染症の影響で思うように外出ができず、ネットショッピングで物を購入する人が増加しました。
また、中国やアメリカでは、いち早く経済が回復したこともあり物流が活性化し、輸送のためのコンテナ需要が急増したのです。
一方、コロナの影響で湾岸で働く作業員が不足したことにより、コンテナ処理が滞ったことなど、さまざまな要因が複雑に絡み合ってコンテナが不足しました。
結果的に、海外から輸入する木材を運んでくることが困難になったのです。
「第二次ウッドショック」ロシアによるウクライナ侵攻の影響
アメリカを中心とした住宅需要もピークを迎え、落ち着きを取り戻そうとしたところでしたが、「第二次ウッドショック」となるロシアによるウクライナ侵攻の影響を受け、さらなる木材不足が危惧されています。
ロシアはウクライナ侵攻による経済制裁への対抗として、木材製品の輸出を停止すると発表しました。
ロシア産の木材は天井用の下地材として重宝されており、輸入が止まることによる住宅建築への影響は非常に大きいと言えます。
ウッドショックによる家づくりへの影響
住宅建築において、ウッドショックの影響は非常に深刻です。
幸いにも今は影響が少ない場合でも、今後の動きに注意しておく必要があります。
住宅価格の高騰
世界中で木材の需給バランスが崩れた結果、木材価格は高騰しました。
最も影響が大きい木造住宅では、大手住宅メーカーが坪単価数万円の値上げを次々に発表しています。
構造材が鉄骨だから大丈夫だろうと考えてしまいがちですが、構造材以外にも木材を使用する箇所は多く、集成材や合板などの価格上昇を受け、徐々に価格に影響が出てくるでしょう。
今は企業努力で、なんとか値上げを踏みとどまっている会社も、今後、下がる見通しを立てているところはなく、価格の動向は不安定です。
工期の遅れ
2021年12月末の国土交通省の調査によると、「現在の工事に遅れが生じている」と回答した工務店の割合は増加傾向にあり、木材の供給遅延が大きな原因となっています。
工務店側も新規契約を取っていきたいところですが、契約しても材料である木材の調達目途が立たず、契約の締結を見送るケースもあるくらいです。
特に注文住宅はウッドショックの影響を受けやすく、場合によっては工事が大幅に長引くこともあり、最悪の場合、工事がストップしたり、つなぎ融資に影響がでたりし、予定を大幅に変更する必要も出てきています。
建売・中古住宅・マンション価格の高騰
ウッドショックの影響を受け坪単価が上がると、予算的に注文住宅を断念する人が出てきます。
次に検討されるのは、建売住宅・中古住宅・マンションです。
木造注文住宅からマンションへ変更する人や、中古住宅や中古マンションへ選択肢を変えるという流れが生まれ、市場のバランスが崩れることで、価格が高騰することは予想されています。
中古住宅や中古マンションを売りに出す人も、買い手がいると分かれば強気な価格を提示してくることがあります。
いずれにしても、価格は上昇していく流れになりそうです。
これからの家づくりで必要な対策と行動
ウッドショックの影響を受け不安定なこれからの家づくりには、これまでとは違った対策が必要です。 具体的な対策と、必要な行動についてご案内します。
余裕を持った計画を立てる
ライフイベントのタイミングに合わせて家を持ちたい、と考える方は多いでしょう。
お子様の誕生や進学は予測できるため、「新しい家でスタートしたい!」と思うものです。
しかし、入学などの時期はずらすことができないため、家づくりを焦ってしまう方もいます。
今のような不安定な状況下で焦って決断することは、判断を見誤ってしまう可能性がさらに高まり、おすすめできません。
また、今の状況に便乗し、決断を急ぐように助言してくる人もいますが、焦らず余裕を持って計画を立てる事を忘れないようにしてください。
予算の見極め、見直しを行う
木材だけでなく、あらゆる物の価格が上昇する現在、根拠のある予算を明確に設定しておくことはとても重要です。
「家づくりは一生に一度なので妥協したくない!」という思いから、つい予算オーバーしてしまうケースが見受けられます。
無理のない資金計画を立てるためにも、必ず予算内で検討するという強い意志を持ちましょう。
また、これからの不安定な状況を生き抜くためにも、必要な資金は確保しておく必要があり、月々のローンも無理のない状態にできるよう、もう一度見直しを行ってみてください。
妥協できる点・絶対あきらめたくない点を洗い出す
自分がやりたかった家づくりのなかで、よく検討してみたら、「実は必要なかったかもしれない」と思うものが意外と出てきます。
また、代替案で解決できることもあるでしょう。
家づくりをするなら絶対にあきらめたくない点は何か? 妥協できる点は何か?もう一度洗い出してみることで、予算をかけるべきところがはっきりとしてきます。
ただ、あきらめるだけはなく、集中と選択を意識してみると後悔のない家づくりができるので検討してみることをおすすめします。
相見積もりを必ず取る
見積を依頼する場合は、必ず複数の会社へ依頼するようにしましょう。
大手住宅メーカーでも、坪単価の値上げ価格はさまざまです。 工期が遅れているところ、順調で問題のないところ、各社状況が大きく異なります。
また、契約後の価格変動について、どのようなルールになっているか確認することも重要です。
このような不安定な状況下で、契約後に価格が変わってしまえば、計画そのものが崩れてしまいます。
契約前に担当者からしっかりと説明を聞き、書面などで確認後、納得したうえで契約するようにしましょう。
ウッドショックの影響はいつまで?今後はどうなる?
これから自分の家を持ちたいと考えている方は、ウッドショックがいつまで続くか、いつまで影響があるのか、明確に知りたいのではないでしょうか。 今後の見通しをまとめてみました。
まだまだ先行きは不透明
アメリカでの住宅建築の勢いは落ち着いてきていますが、世界中で木材の需要が増えているため、木材の価格はほとんど下がっていません。
そのうえ、ロシアの軍事侵攻が要因となり、住宅建築に必要なあらゆる物の価格が上昇しています。
例えば、ロシアから原材料を手に入れることができない懸念から、経済協力開発機構の分析によれば、ステンレスの原料となる「ニッケル」の価格が高騰し、価格が63%も上がっていると言います。
さらに円安も進んでいるため、輸入に多く頼っている住宅建築の材料は、価格の高騰が止まりません。 この状況を、すぐに解決できる具体的な対策はなく、これから状況が改善するには時間がかかりそうです。
価格の高止まり
木材の輸入価格上昇は国内の販売価格へ反映され、住宅メーカーでは坪単価の値上げを余儀なくされています。
また、海外から木材が手に入りにくい状況になったことで、国内の木材価格も上昇しているのです。
一旦上昇した価格は高止まりしたまま、下がる気配がありません。
さらに、ロシアのウクライナ侵攻による経済制裁の影響を受け、木材以外の物も手に入りづらい状況となり、価格が値下がりする具体的な要因が見つからないのが現状です。
情報収集の必要性
海外の影響を受け、国内の状況も日々変化しています。
特に現在、円安の動向が輸入材料に大きく影響を及ぼす要因となっていますので、精度の良い情報をこまめに収集することは自分を守ることになります。
自ら判断材料を収集し分析することで、不必要に情報に振り回されなくなるでしょう。
ネット上にあるさまざまな情報を冷静に取捨選択するためにも、自分の判断基準を持つことが必要です。
自分自身の家づくりをもう一度考え直す
2、3年前とは状況が大きく変わった今、家づくりに対する考え方も見直す必要があるのではないでしょうか?
ウッドショックの影響を受け、用意していた予算で建てることができる住宅は、大きく変わっているはずです。
もちろん予算だけの問題ではなく、このタイミングをきっかけに、「そもそもなぜ家を持とうと考えたのか?」「家を持つことでどういう未来を描いていたのか?」その考えに立ち返り、考え直すことで、後悔しない家づくりに近づいていけることでしょう。
地球を残すために!MAYSが提案する持続可能な社会への考え方
コロナをきっかけに、家の中で過ごす時間が増え、より快適な住環境を求めて家づくりの需要も増大しました。
家づくりの急激な需要増加により、世界中で木材をめぐって競争が起きている状況で、日本で暮らす私たちにも影響が生じています。
さらに、今後もロシアの軍事侵攻の影響を受け、原材料の供給不足が起こることにより、各国で争いが起こる可能性は否めません。
現に供給不足による物価上昇は起きていて、私たちの生活を脅かしています。
この状況は、家づくりのあり方や、消費そのものを深く考え直すタイミングであると捉えることができるのではないでしょうか?
これから、私たちの子供や孫が生きていく未来のためにも、持続可能な素材を使用した家づくりを検討するなど、さまざまな対策が必要でしょう。
これからの家づくりを地球規模で考える必要性
ウッドショックの問題は、住宅価格の高騰や木材の確保ばかりに注目が集まりますが、実はもっと深刻な問題を抱えているのです。
森林保護のため、厳しいルールのもと木材の供給を行っている国もありますが、価格競争や争奪戦が起こると、地球環境を無視した違法な伐採が横行します。
目先の利益だけで、未来のことを考えられなくなることは非常に危険な状況です。
近い未来に、自分たちの子孫が安心して生きることができる地球は存在しているのでしょうか?
事実、異常気象や温暖化、生物の異常発生を身近で体験し、毎年のように自然災害に悩まされていることは、地球環境を無視している結果であることを見過ごしてはいけません。
私たち消費者は、消費する責任を考えて行動する必要があります。
安価な材料を求めすぎた結果、子供たちの生きる地球環境を悪くしているという自覚が必要です。
国連でSDGsを定めた2015年から時間は経過していますが、日本人の意識はあまり変化していないのではないでしょうか。
そこまで考える余裕がない、というのが本当のところかも知れません。
ウッドショックをきっかけとし、子供たちの未来のために私たちができることは何か、家づくりをとおして考えるきっかけにしていきたいものです。
未来の地球のために知っておきたい!森林環境を保つ制度
地球規模でウッドショックの影響を考える際、森林環境を保全する制度があることを知っておくと、森林のために貢献できるでしょう。
きちんと管理された森で育った木なのか、どのように管理され、加工された木材であるか認証する制度があり、この森林認証製品を選ぶことで森林環境の保護につながります。
また、この制度は林産業にかかわる人々の人権尊重にも有効です。
日本では主に、「PEFC」と「FSC」の2つの森林認証制度が普及しており、地球環境への意識が高い企業は、この認証を受けた木材を選んでいます。
私たち消費者も、森林認証製品の取り扱いについて、企業の方針をチェックしていきましょう。
原点回帰!シンプルに、良い物を長く使うことで解決できること
昭和の高度経済成長期以降は、大量生産・大量消費・大量廃棄が当たり前となりました。
その結果、ごみ問題や、安い労働賃金による貧困など新たな問題を生み出す結果となったのです。
人間が便利さだけを優先すると、さまざまな問題が生まれます。 その反動は、必ず人間に返ってきていることをもう一度考えなければいけません。
私たちも家具を取り扱う企業として、どうすれば持続可能な社会が実現できるかということを考えています。
「良い物を長く使う」という考えは、実は持続可能な社会の実現に向けて、核となる考え方です。
今の日本においてその意識は薄れてしまっていますが、かつては日本人が大切にしていた物に対する思いでした。
これからは、科学技術の発展を存分に利用し、知恵と発想の転換で、日本人が大切にしていた考え方を、もう一度実践していく時期を迎えたのだと感じています。
家具・インテリアのリース/レンタルがかなえる持続可能な社会
私たちの事業では、家具・インテリアのリース/レンタルを行っています。
良い家具は、正しいメンテナンスを行うことで長く利用できることを知っています。
もちろん、リースやレンタルだけでなく、ご購入いただく家具においても、愛着をもってメンテナンスを行っていただけるよう、プロのインテリアコーディネーターがアドバイスをさせていただきます。
MAYSは、インテリアのリース/レンタルや、長く使用できる良い家具をおすすめすることで、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。